4話 そのオークはドSだった…
いやー書けた書けた。
でも今回も短いです。
スナック感覚でかるーく読んでいってね。
結論から言おう。俺は助かった。
あの後、なぜかあのオークが俺の弁護をしてくれたのだ。
異世界から来たばかりでこの世界のことを知らないが故に起きた事故だったと…
これは不慮の事故だからそれで罪に問うのは止めて欲しいと…
斬られた本人が許すと言っているのだから許してほしいと…
言ってくれたのだ…………聖人過ぎる…俺こんな良い人(?)を殺そうとしてしまったのか…
裁判が終わった後、俺は地面に額をこすり付けてオークに謝った。多分こんなに本気で謝ったのは今までの人生で初めてだろう。
それに対してオークは、
「気にしないで欲しいブヒィ。異世界ではオークが悪い生物だって思われてるんだろうブヒィ?大昔にも召喚された勇者との間で似たような事があったって聞いたことあるブヒィ。それでキミはあの女の子がボクに襲われてると思って、それを助けようとしただけブヒィ。知らなかった事が知れたなら、もう間違うことは無いだろうブヒィ?」
そう言ってくれたけど、それでも尚俺が謝ろうとすると、
「それに…」
「目の前で困ってる人が居たら、助けるのは当たり前ブヒィ!」
…………ちょっとマジで良い人過ぎじゃないですかね?
あれ?じゃあ、あの座り込んで叫んでた女性はなんだったんだ?
その件についてオークに聞いてみる。
「あー、あれはブヒね…」
なんだか、げんなりとした表情で答えてくれた。
「あの女の子はボクの追っかけで…かれこれ1ヶ月くらい付き纏われてるブヒィ…しかも会うたびにキャーキャー言いながら纏わり付いてくるブヒィ…人間や亜人種の女性が寄って来るのはオークの運命だからもう諦めてるブヒィ…」
え?あれストーカーの類だったの!?ていうかオークの運命ってなんだよ!?なに?この世界のオークってモテるの?
「同族以外にモテても嬉しくないブヒィ…あの犬人を見てみるブヒィ。」
そう言ってオークは通りの方を指さす。
その方向を見ると二足歩行の犬としか形容できない毛むくじゃらの亜人が居た。あれは犬人っていうのか。
「キミは、ああいうのにモテたいと思うブヒィ?」
ああーそういうことね。
種族で美的感覚が違うのか。
ん?でもオークは他種族にモテるんだよな?
「オークは基本的に同族以外には欲情しないブヒィ。でも何故かは分からないけど、不思議なことに他種族の異性には妙にモテるんだブヒィ。こっちからしたら迷惑以外のなにものでもないブヒィ。」
あーなるほどな。そりゃあ好みでも無いどころか完全に守備範囲外の女に言い寄られても迷惑だよなぁ…
おっと話が脱線しかけたな。
結局事の真相はどういう感じだったんだ?
「あの時はあの女の子がいつもの様にキャーキャー言いながら纏わり付いて来てて、それを退かして進もうとしたら、ちょっと力を入れ過ぎて転ばせちゃったブヒィ…流石に悪いと思って、手を差し出そうとしたらキミが来たブヒィ。」
その節は本当にすみませんでした。
「それはもう済んだことブヒィ。それより、裁判に連れていかれて大分時間経っちゃったけど予定とか無かったブヒィ?」
ここに来てこの気遣い…俺が女なら惚れちゃうね!
まあ、それは置いといて。
冒険者になる為にギルドに行きたかったんだけど、その…図図しいんだけど、冒険者ギルドの場所ってわかる?
「ああ、冒険者ギルドならボクも行く途中だったブヒィ。それなら一緒に行くブヒィ。手続きの仕方も教えるブヒィ。」
拝啓、元の世界のファンタジー好きの同志様方。異世界のオークはとても親切なナイスガイでした。
ドS=ド親切
この世界のオークは種族そのものが親切で気配りもできる、ハイスペックオークです。
今までの常識は捨てましょう☆