22話
お待たせしました。
書きたい場面は沢山あるのですが、繋ぎの話って難しいものですね。
ガタガタガタガタ……
音が聞こえる。
聞き覚えのある音だ。
つい最近聞いたような……
……ん?
なんだ?
後頭部にやわらかい感触が……
ガタガタガタ……ガタッ!
ドサッ!
おっふ!?
「きゃっ!?ヒデオさん大丈夫ですか!?」
いっつつつ……
な、なんだなんだ!?
突然の衝撃と痛みに周囲を見回す。
シューバインとレオンが椅子に座っているのが見える。
周囲の様子からどうやら馬車の中のようだ。
俺たち以外の乗客は居ない。
なんで馬車に乗ってるんだ?
「ヒデオさん。そんなに急に動いてはダメですよ?怪我は治ってますけど、まだ安静にしていないと。」
確か……超絶美形な俺はアリエルとデートをしてて……
うっ……頭が……
「さらっと、記憶捏造してるブヒィ……」
シューバインが何やら言っているが、気のせいだろうからスルーしよう。
で、いったい何があったんだ?
なんで馬車の中に?
「ヒデオ君が付けていたステータスカウンターが爆発したのは覚えているかい?」
爆発……?
ああ、そういえば意識を失う前に数字が上がり続けて……
「うん。君が付けていたステータスカウンターなんだけど、調べたところ10年以上もメンテナンスされていなかったみたいでね……担当していた店員がメンテナンスにかかる費用を着服していたんだ。」
「あの後、直ぐに衛兵が来て帳簿とか色々調べてその日の内にその店員を引っ立てて行ったブヒィ。」
この世界の警察組織仕事早すぎだろ!?
ちゃんと捜査した!?
「その辺は大丈夫な筈だよ。捜査や取り調べにはそういうスキルや専門の魔法が使われるからね。」
そんな便利な魔法が有るのか……
ところで爆発の件は分かったけど、馬車に居る理由は?
「ああ、それはこの馬車で王都に帰るところだからだよ。君が倒れてから丸3日経ってしまったからね。」
ふぁ!?
丸3日だと!?
「うん。依頼報酬の二泊を過ぎてしまうからね。超えた分は僕が出してもよかったんだけど、あの宿の部屋は明日から予約でいっぱいでね。傷も完治しているし王都に帰ってしまった方が良いと思ったんだ。」
まじかー……
一日分勿体無いことしたな……
「でも、いいタイミングで目覚めたね。そろそろ街に着く頃合いだよ。」
レオンの言葉を聞いた俺は、窓から頭を出して外を見る。
馬車の進行方向に街が見える。
「いやー。やっと着いたブヒィ。馬車の移動で疲れたから帰ったら宿でお風呂に入りたいブヒィ。」
ああ、確かにずっと寝てたから退屈では無かったけど体の節々が痛いし、風呂に入ってゆっくりしたいな……
ん?
街の門の前で手を振ってる人がいる?
んん?
距離があるから顔は流石に解らないけど、何か叫んでる?
「シューバイン様ーーー!お待ちしておりましたーーー!貴方のローゼですよーーー!」
「げぇ!?ローゼブヒィ!」
どうやらローゼさんみたいだな。
シューバインが慌てている。
「ぼ、ぼぼぼ僕は逃げるブヒィ!とうっブヒィ!」
馬車から飛び降りるシューバイン。
飛び降りると直ぐに他の門の方に走って行った。
そこまで嫌か……
「ふふふ。私から逃げられる訳無いではないですか。直ぐに捕まえてさしあげます!」
瞬間!
静止した状態から凄まじい加速で一気に目にも留まらぬ速度でローゼさんはシューバインに肉薄した。
あ、捕まった。
ていうか、速っ!?
「さあ捕まえましたよ!」
「ぐああああ!捕まったブヒィ!」
残念。
女騎士からは逃げられない。
シューバインは暴れて引き剥がそうとしているけど、完全に抑え込まれてしまっているみたいだ。
助けに行った方が良いんだろうか?
「ヒデオー!助けてブヒィーー!」
分った分かった今助けに……
ゾワッ……!
!?
その時、俺の全身に悪寒が奔った。
ローゼさんの方から凄まじい視線を感じる!
まるで、邪魔したら殺すと言わんばかりの殺意の籠った視線だ!
「ヒ、ヒデオー!早く助けてブヒィ!」
わ、悪いな、のび……ゲフンゲフン……シューバイン。
この馬車の荷台3人乗りなんだ。
「ブヒィ!?僕さっきまで乗ってたんだけどブヒィ!?」
すまないシューバイン。
俺は命が惜しいんだ。
大丈夫だ。
死にはしない筈だ。
「全然大丈夫じゃないブヒィ!?ていうか、待ってブヒィ!馬車を止めてブヒィ!」
すまない……
お前の事は忘れるまで忘れないぜ……
馬車は止まらない。
後方の騒ぎなど知らぬとばかりに停留所までの道をゆっくりと進み続ける。
後方へ消えていくオークと女騎士を俺達は只々見送った。
まだまだ続くよ☆




