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14話 魔王が去った後……

お待たせしました☆


魔王が立ち去った後、野次馬根性で来た俺たちは手持無沙汰になってしまったので街に戻ることにした。

それにしてもまさか、魔王があんなドMの変態だったとは……

威厳の欠片も感じなかったけど、あんなのでも実際は俺とは比べ物にならないくらい強いのだろう。

戦いになる前に帰ってくれてよかった。

いつか来るのを待っているとか言われたけど……

まぁ、行かないんだけどな!

止めが刺せるだけで別に、正面からまともに戦えるほど強い訳じゃないし。

無理無理。

魔王には永遠に待ちぼうけしていて貰おう。

触らぬ神に祟り無しっていうしな。

神じゃなくて魔王だけど……

まあ、そんなことよりギルドに行って仕事だ仕事。

召喚された時に貰った金だって無限じゃないんだ。


そんな事を考えながらギルドに向かっている途中、来る時は閉まっていた店が開店し始めた大通りの一つの書店に目が留まった。


「ヒデオ。本屋になにか用があるブヒィ?」


書店の方を見ている俺にシューバインが聞いてくる。

この世界に来て一か月以上経つのに慣れることに精一杯でこの世界の書店に入ったことが無いと伝えた。


「そうだったのかブヒィ。時間ならまだ大丈夫だし実際に入ってみればいいブヒィ。」


シューバインがそう言ってくれたので、俺たちはギルドに行くのを少し遅らせて書店に入ることにした。

そして、書店の中に入った俺の目に飛び込んできた物は……

ファンタジー要素が欠片くらいしか無い、凄い現代感のある書店だった。


…………いやいやいや。

一瞬元の世界に戻ったのかと思ったよ。

だって、入った瞬間に凄い見たことのある某ラノベ作品のキャラ看板が有るんだもの!

それで入口周辺の本棚に陳列されている本の背表紙があからさまにラノベ!って感じの本なんだよ。

しかも凄く見覚えのある有名な奴だ。

いや、でもよく見たらタイトルが微妙に変わっている……

おそらく、歴代の勇者達の仕業だろう。

いや、間違いない。

ジャンルは全部SFになってるな……

まあ、この世界からしたら全部SFだもんな。

そしてそのラノベコーナーが店の3分の1近くを占めている……

先輩方……頑張り過ぎだろ……そしてパクリ過ぎ。

ラノベコーナーの一部から腐った雰囲気がするけど、そこは無視しよう。

うん。

歴代の中にはそういうのが好きな勇者も居たんだろう……


先輩方のやらかし具合に戦慄しつつ店の奥の方に向かう。

残りの部分は史実や英雄譚、魔導書等が置かれている。

史実兼英雄譚の棚はかなり大きく店の殆どの面積を占めている。

反面、魔導書の棚はとても小さく、せいぜい20冊程度しか置かれていない。

俺は英雄譚の棚から一冊の本を手に取り、内容を見てみる。


ふーむ?

題名を見る限りだと、この本は初代の勇者の活躍を記した本みたいだな。

どうやらこのあたりの本は歴代勇者の英雄譚のようだ。

因みに18代目までしか無い。

20代目の俺と、冒険に出なかった19代目に英雄譚は無いからな。

それにしても歴代の中で、ところどころ妙に装飾が凝った造りの本が有るのが気になるな。


「ああ、それは人気の差ブヒィ。その代の勇者が強ければ強い程、魔王が本気で攻めてくるから勇者の活躍も大きくなるブヒィ。だから装飾が豪華な本ほど勇者が強くて大活躍するから人気があるブヒィ。」


なるほどな。

じゃあ、読み物としてはこの一番豪華な10代目が面白いのか?


「うーん?それも面白いけど、ボクとしては18代目が一番だと思うブヒィ。えーと……ああ、これこれブヒィ。この本と併せて読むと面白いブヒィ。」


そう言ってシューバインが持ってきたのは18代目勇者の英雄譚とそのスピンオフらしき本だった。

18代目の本は適度な装飾なのに比べて、スピンオフの方は他の勇者の本と比べても明らかに豪華すぎるくらい豪華だった。

なんでスピンオフの方が豪華なんだ?


「それはブヒィ。18代目の時代は魔王が歴代で一番本気で攻めてきたときなんだけどブヒィ。勇者本人よりも仲間の一人が大活躍し過ぎて、勇者本人の主な活躍が序盤と魔王に止めを刺したときだけだったんだブヒィ。その豪華な本の方は、大活躍した勇者の仲間の話なんだブヒィ。」


勇者より仲間の方が人気有るって、どんだけ活躍したんだよ?


「そこは、読んでみてからのお楽しみブヒィ。」


えー……ここで焦らすのか……気になるんだけど……

しょうがない買っていくか。

よし。

内容も気になるし、今日は依頼を受けないで宿で本読むかな。


「ギルドに行かないブヒィ?まあ、進めたのはボクだし今日は休みにするブヒィ。」


シューバインもそう言ってくれたので、今日は休みにしよう。

よし。

この本買ってくるか。

…………装飾に見合う豪華な値段だった。

まだまだ続くよ☆

ホントだよ?

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