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11話 噛ませはどこまで行っても噛ませ

おや?今回も結構早く書けたぞ?ふっしぎー☆

そろそろサブタイトルが思いつかなくなってきました☆


銀髪オッドアイをアニーキが抑えている頃、アニーキの頼みを受けたザッコ―はギルドから少し離れた場所にある孤児院に辿り着いていた。


「先生!院長先生は居るかー!」


余程慌てていたのだろう。

荒々しく玄関のドアを叩く。

それから少しの間を置いてドアが開く。


「あまり大きな音を立てるのは控えてくれるかい?子供たちが驚いてしまうからね……」


中から出てきたのは黒い艶やかな髪を腰のあたりまで伸ばした男性だった。

目を閉じている為、目の色は確認できない。


「おお、先生居たか!悪いんだが、ちょっと来てくれねえか?兄貴が呼んでるんだ!」


「アニーキがかい?」


「ああ。ギルドに銀髪でオッドアイの野郎が来て暴れてやがるんだ!」


「…………なるほど。それなら急がなければいけないね。」


「ああ!それじゃあ急いでギルドに戻ろうぜ!」


「大丈夫だとは思うけれど、アニーキも心配だからね……私は先に行かせてもらうよ。」


言葉が終わると同時に音もなく院長と呼ばれた男性の姿はその場から消えていた。


「え?ちょっ……」


置いて行かれたことに気づき呆然とするザッコ―。


「……俺も戻るか。」


トボトボと歩く彼の背中には哀愁が漂っていた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おら!大人しくしやがれ!」


アニーキさんが暴れる銀髪オッドアイ……いや、カマセを抑え込んでいる。

腕の関節を完全に極められ、床に押し付けられているのにも関わらず暴れ続けるカマセにアニーキさんも力を強める。


「クソ!放せ放せ!放しやがれー!」


「放せと言われて、はいそうですかと放す馬鹿がどこに居るってんだ!」


正論である。


「この俺が!選ばれた主人公であるこの俺が、何でこんな目にあわなきゃいけねえんだよ!」


「主人公だぁ?何訳のわからねえこと言ってんだ!そんなもんが居たとして、それがオメエじゃねえことだけは確かだ!もうすぐオメエみたいな奴の専門家が来るからそれまで大人しくしてろや!」


「俺は……俺が主人公なんだ!うがぁあああああ!!」


「まだ暴れやがるか。ほれ、大人しくし……ぐぅ…!」


なんだ?アニーキさんの様子がおかしい……

いったい何が……


「昨日のローゼの嬢ちゃんにやられた傷が……」


ちょっ!あれギャグ回じゃなかったのかよ!


「はっ!」


「くっ……しまった!」


アニーキさんが弱った隙を突いてカマセが拘束を振り解く!


「なんかよく分からねえが、こいつはチャンスだぜ。やっぱり俺って選ばれてるなぁ!こいつはお返しだぜ!」


「くっ……!」


床を大きく踏み砕く勢いを持ってカマセが殴りかかった!

カマセの拳がアニーキさんに迫る!


「そこまでだよ。」


突然だった。

唐突だった。

前触れなど無かった。

受け止めた音など無く、衝撃も無く、籠められた力など最初から無かったかのようにカマセの拳が突然現れた男性の掌に収まっていた。


「アニーキ、大丈夫かい?」


「ああ、大丈夫だぜ院長先生。」


どうやらアニーキさんが呼んでくるように頼んだ院長先生とはこの人らしい。

いつ来たのか全く分からなかった……


「なんだテメエは!偉大なる俺の邪魔するんじゃねえよ!」


「ふむ……銀髪にオッドアイ、そしてその増長しきった感性……スキルも覗いてみてみたけど、典型的な転生者だね。」


「無視かよ……なら、無視できねえように叩きのめしてやるよぉ!」


「まあ、とりあえず……」


「うおらぁああああああ!」


「正座していなさい。」


「へぇあ?」


殴りかかった筈のカマセが、スカっと何も触れなかったかのように院長先生をすり抜けた。

それだけではなく、すり抜けたと思ったらその先でカマセが正座していた。

何が起こったのか全く理解できなかった。

すり抜けた後の途中経過なんて全く見えなかった。


「な、なんだこれ……なにが…何しやがったんだよぉお!?クソッ!動けねえ!なんだよこれはよぉぉお!?」


動けないカマセに院長先生がゆっくりと近づいていく。

そして後ろからカマセの両肩に手を乗せると、カマセの顔の横から話しかけた。


「私は、ソウ=ノーバディ。この街で孤児院を経営しているんだ。ただ、他の人よりちょっと(・・・・)だけ君たちのような存在や君たちを転生させた存在に詳しくてね……こうやって偶に対処しているんだよ。」


「ヒッ…た、対処!?」


「なに、別に命をとるわけではないから安心しなさい。ただ君のステータスとスキルを剥奪して、その上でまっとうな人間になれるよう再教育するだけだよ。」


え?なにそれ怖い……

ニコニコと爽やかに笑いながら言っているところが更に怖い。


「ふ、ふざけるな!俺は主人公だぞ!そんなことが許される訳……訳……………あ?あぁあぁああ!?……今、今気が付いた……髪型も恰好も違うから今まで気づかなかった……」


「……」


「な、なんで……なんでイベントボスがこんnグェ……………」


何かを言いかけたカマセの意識をノーバディさんが刈り取った。


「錯乱していたようなので気絶させたよ。さて……騒がせてしまったね。彼は私が連れて行くから皆、日常に戻って欲しい。」


そう言い、ノーバディさんはカマセを引き摺りながら帰って行った。

数分後、ギルドは何事も無かったかのように復旧した。

さっきのことは頭の片隅に追いやり、とりあえず依頼を選ぼうと思い掲示板に向かった。

スライム討伐しか残ってなかった……

どうやらカマセが騒いでる間に他の冒険者に軒並み持って行かれたようだ……

おのれカマセ!

結局その日は丸一日グダグダだった。

今回訳知りキャラが出てきました。

安心してください。まだ続きますよ☆

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