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候補を集めろ

ここはメルヘン王国の首都、メー・ルヘン。

ここにはとても美形の王子様が住んでおられます。

とてもとても美しく、気高く、武力に長け、………それはそれは[俺様]な王子様でございます。

御名を[ダルヴァン・リバーク・ファンデルゼン・コーラシア・ユスピトピⅡ世]とおっしゃられ、お体の弱い国王陛下に変わり、日々メルヘン王国の為に働いていらっしゃる…………はずでございます。 


そんなダルヴァン王子が正室をとられることになられました。

国中の貴族の娘たちが城へ向かい、正室候補として王子のお目にかかるのでございます。


さて、今頃城ではどうなっているのでしょうか…、




「駄目だ。」

「しかし…王子っ!」

「黙れ、ラーク。」

「……はい。」

城の内部にある大広間。国中から集められた貴族の美女達がみな着飾り、1人を見つめている。見つめている先には、ソファーに右腕をたて寝そべる男とそれを取り囲む美女の姿。

「もっと仰げ。」

偉そうに周りの美女に命令しているのはこの国の王子様。

長身で筋肉質な躰、赤茶色の長髪にはだけたローブ、そして綺麗に、美しく整った顔。切れ長の二重に鼻筋の通った鼻、薄い色の唇は形がよく、艶っぽい。まさに美形の一言に尽きる。


「おい、女ども。貴様らでは側室にすら役不足だ。即刻ここから出ていけ。」

その唇から出るは暴言。しかしながらそれすらも彼を彩る花のひとつに過ぎないのはそのあでやかな容姿とつややかな美声のせいに他ならない。


娘たちが出て行った大広間、そこにいるのは王子と家来の男2人だけ。


「一体なにをお考えですか?」

先に声を発したのは家来の男「ラーク・エディ」。彼はダルヴァン殿下の幼馴染であり、一番彼に近しい側近である。3日前のこと、現在床に臥せている国王陛下からの命が下った。それは、ダルヴァン陛下に正室を迎えることだった。

「俺に目にとまる女がいなかった、ただそれだけだ。」

国中の貴族の娘がすべてダメなら一体次はどこを探せばいいのかと彼は王子に聞いた。


「・・・世界中の王女を連れてこい。もう貴族ごときではだめだ。俺の正室ともなれば世界中に王たちは大喜びで娘を差し出すだろう。」

「それは結構でございますが、その世界中への書簡はだれがだすのです?」

にやりとほほえみ、その長い髪をかきあげる。

「喜べ。お前に仕事をくれてやろう。」


ラークはその後世界中の国に王子の名前で書簡を送り返事を待つことにしたが、王子の予測通り、一週間も待たずにほとんどの国から「ぜひ我が国の王女を!」という内容の返信があった。


そしてその2か月後、世界中から集まった「正室候補」が城にはいった。

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