傍らから君へ
思い付きを一気に書いたので後々修正するかもしれません。未熟な文章ですが楽しんでいただければ幸いです。
くすんだ短めの金髪
笑う時、控えめに上がる口角
遠くからあの子を見守る時の優しい笑顔
全部彼の素敵なところ
彼は知っている
彼の想いが届かないことを。
彼は絶対に気づかせない、悟らせない
彼女にも、彼の親友にも
彼がその想いを伝えることはないだろう
形に残すことも、言葉に残すこともないだろう
ただ、彼の中で完結させるのだ。
だから、私は何も言わない。
彼の想いのことについて何も。
彼もおそらく私が気づいていることに気づいているが、
それでも言葉にしないんだから。
目の前でじゃれあう
彼女と彼の親友
ふざけあう二人
目があった彼は、
少しだけ、苦笑いした。
後ろ暗い笑いではなくただ、愛おしむように、
越えられない線を、
複雑な想いをかみしめるように、
苦笑い。
ばかだなあ。
言ってしまえばいいのに。
彼の親友は正々堂々彼の彼女に対する気持ちを受けるだろう。
そして彼女を譲らないため向き合うだろう。
彼女も弱くはない。
最初は戸惑って、でも受け止めて。悩んで悩んで、答えを出すだろう。
彼と一緒にいることを選ぶとは限らない、それは彼女の決断だからわからないけれど。
彼らはそんな人たちだ。
でも彼の望みが決して彼女を手に入れることのみではないことを知っているから。
どんな結果になっても彼にとって悪くはないと思うのに。
あなたの大切にしている人たちはそんなに弱く見えないけれど
それを知ってても彼が彼の大切な人たちに何も伝えないのなら、
私は何も言いません。
そのことについて誰にも何も悟らせません、あなた以外の誰にも。
私は、あなたより少しだけ隠し事が上手い自信があるから。
きっとこの二人だけの秘密はうまく守られるだろう。
彼はきっといつも傍らにいる私の想いに気づいたことはないだろうから。
いつのことだったか、偶然二人で話したことがある話、
「俺は生涯、独身のつもりなので結婚についてはよくわからないけれど、あなたを花嫁にする人はきっと素敵な人だろうと思うよ。」
「ふふ、根拠はよくわからないけれど、ありがとう。でも、私も生涯独身のつもりなので残念ながらよくわからないわ」
「なぜ?あなたは街でもとても人気だと彼女に聞いたことがあるけれど」
「あの子の言うことは、親友の欲目が入っていると思って聞いてね。…でも、そうね、何人かの方に好意を伝えていただいたことはあります。」
「やはり。あいつもあなたは人気があると言っていたからな」
「あいつ?ああ、あなたの親友?ありがたいことだけれど、すべてお断りしているの」
「そうなのか、、でも、、」
「複数の方に思われるより、一人でいいの。たった一人自分の望む人に望まれてみたいの」
「・・・それは、なんとなく分かる気がするな。変なことを言ってしまったな、すまない」
「いいえ、とんでもない。まだまだ未定ですから!明日には私に素敵な想い人が三人くらいできているかもしれないですし!」
「ははっ、君は相変わらず面白いな。…あなたといると心休まるよ」
「ふふっそうでしょう・・・そういえば-----」
―――私もあなたと一緒にいるときの優しい空間がすきですよ。…とても。
飲み込んだ言葉の出番は生涯なさそうだ。
たった一人、自分の望む人から望まれることも、
好き、愛してるの言葉も、
想いが届くことも、想いを返されることも・・・
私のこの想いはきっと叶うことがないと知っているけれど、
心休まると言ってもらえて喜ぶことは許してね。
「私の親友を好きになられちゃ、うかうか親友に相談もできないじゃないですか…。」
誰にも迷惑はかけないから、
誰にも伝えることのない出番のこないこの想いをもつことを許してね。
そしたら私は明日もがんばれそうなんです。
傍らから君へ
貴方をいつも応援しています。
あなたの幸せを心から望んでいます。
あなたが幸せなら生涯だまっているから。
いつも笑っていてください。
いつかあなたが大声で笑うところを見てみたい。
満面に笑う時はいつなんだろう。
あなたの望むたった一人ではないけれど、
あなたの幸せを誰よりも望んでいる者の一人です。
傍らから君へ
あなたが幸せだと私も幸せです。
お読みいただきましてありがとうございます。感想等いただけましたら幸いです。