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新能力

「まぁテトラちゃんこんなに血だらけになっちゃって、怪我はしてない?」

「ヒロカゲくんやミラちゃんも無事でよかったわぁ・・・」

公民館についてまず出迎えてくれたのは、近所のおばちゃん達だった。

そのあとを、

「おう坊主、久しぶりだなあ!」

「まだ一週間もたってねぇよおっちゃん。」

魚屋の気前のいいおじさんや、八百屋のおじさんやいろいろな人たちがぞろぞろと出てくる。

「でも私たちに協力したら色々危ないんじゃない?」

「あ。」

珍しくそういった考えにたどり着けなかったネステトラが声を上げる。

「そういえば隣町の人達も来ていますしね、確かに危険です。」

「そう言うと思ってね、表向きは勇者への協力なのよ。というかディアくんだとは思わなかったけど。勇者の協力もしないといけないけど、あなた達の情報は流さないわよ。」

モネが言い、他の人達も頷く。

「というわけで魚も売れなくなったんで今の俺は能力屋だ!持ってけ持ってけ!」

「「「能力屋?」」」

三人の疑問が重なる。

能力屋、とはそのままの意味らしい。

「なんかメールで能力屋になれってんでアイテムボックス開いたら能力:〇〇って具合にたくさんあってな。売るのかやるのか、値段は売る奴が決めるらしい。てなわけで持ってけ!」

能力屋、と書かれた公民館の横にあった建物に目をやり、

「いつの間にか建ってたんだよ。武器屋は八百屋のおやじ、防具屋は肉屋のおやじがやってるがお前らには必要なさそうだしな!」

ハッハッハッ、と笑う魚屋改め能力屋の広げた能力の入っているらしい箱を眺めながら、ヒロカゲが、

「俺これにしようかな。」

「なにそれチート」

というコメントの出る能力を指差した。それは、『90%の確率で攻撃を無効化する』だった。

ヒロカゲが箱を開けると、ステータス画面の能力項目に追加される。試しに殴ってみると、ヒロカゲの体が透けた。

「なるほどね、じゃあ私はこれ。」

ミラが手に取ったのは、『辺りにある影を操ることができる。攻撃や防御も可能』だった。

試してみると、影からずるりとそのまま影が抜け出し、ミラが「剣」と命令すると、剣の形になったり、仲間をバリアとして包むこともできるようだった。

「うーん・・・あ、これで。」

悩んだ末にネステトラが取ったのは、『人の心を読むことができる』だった。

「おーすごいですね、ヒロカゲそんなこと考えてたらミラにフラれますよ。」

「なっ!?」

「おうお前表出ろや。」

「俺は攻撃を90%無効化できるんだぜ!」

「なら残りの10%が出るまで攻撃する。」

「え、ちょっと待っ、ぎゃああああああ!」

ミラが猛攻撃し始める。あーあやっちゃったとヒロカゲに哀れみの視線が向けられる中、ネステトラと能力屋のおじさんは、

「どえらい能力だな・・・」

「そうですね・・・あとおじさんもそういった本は捨てましょうね。」

「違うんだ、そういうんじゃなくて!ぎゃああああ!」

能力屋のおじさんが奥さんにボコボコにされているのを見ながら、

「末恐ろしい能力ですね・・・」

ネステトラは呟きを漏らした。


その後ヒロカゲと能力屋のおじさんが復活し、それぞれ、ミラのランプに火属性、ヒロカゲの斧に木属性、ネステトラの刀に闇属性が付与された。

「もともとこの属性でしたからパワーアップしましたねー・・・」

ロベリアを一振りしてみて呟いたテトラ。

ヒロカゲやミラもそれぞれの武器を確かめている。

「兄ちゃん、行ってらっしゃい!ミラ姉ちゃんやテトラ姉ちゃん、兄ちゃんよろしくね!特にミラ姉ちゃんいろんな意味で!」

「一言多いわアホ弟!」

「ミラもヒロカゲくんもテトラちゃんも気をつけてね。ヒロカゲくん、ミラを守ってあげて。」

「こんなのに守られることはないと思う。」

「ヒロカゲが可哀想ですよ。」

「・・・」

それぞれの家族に見送られ、その場を後にした3人。

「家族っていいですね・・・。」

「んー・・・テトラさ、前兄貴がいるとか言ってなかったっけ?」

「はい。そういえばギルド機能が追加されましたよね?」

「え?そうなの!?」

二人がスマホの電源をつけ、ギルドアプリを開く。

「おー、ほんとだな!」

「それのギルドに新選組ってあるでしょう?」

「あるけど・・・って、ギルド長の名前が勇、副の名前が歳三・・・」

「そう、隊も分けて一番隊の隊長の名前は総司なんですよ。他は違いますけど。で、その副が兄貴です。・・・というわけで、めんどくさいですがお呼ばれしてるので会いに行きたいと思いまーす。」

「テトラってお兄さんのこと兄貴って言うのね・・・」

「あれをお兄ちゃんとか呼ぶのは虫唾が走ります。」

「ひどいな」

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