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6枚目
遭難6枚目
中庭には、花壇があった。
四隅に何処からか現れる水が流れ落ち、張り巡らされた水路を伝って花壇に水を流している。
花畑は色とりどり、赤や青や黄色、咲き誇るその様は何処か悲しげだ。
花の香りはしない、どんな花かも分からない。
中心には大きな透明な球体が浮かんでいた。
球の中には太陽の亀と月を背負う兎が相変わらずの逃走と追跡を繰り返している。
水路から水を掬い口に含む、特に悪いものでは無さそうだった。
数日振りの水は、しかし、特に感慨はなかった。
ワンピースと下着を脱いで水路の深い場所へ浸かった。
水は冷たく心地よい。
数日振りの水浴び、特に汚れていた訳ではなかったが、綺麗になったような気がした。