とある賢者の手記
・巨神の御手 〔12〕
遥か古の時代に滅びた巨神の手、手だけになって尚、未だに生存している。
・太陽背負う亀 〔8〕
太陽を背負う亀、大好きなうさぎの足跡を追い掛け続けている。
……かつての様に共に歩む事は出来ない事を、彼は知らない。
背負う太陽を降ろしてもその身は強い光の力を持ち、闇を滅する。
・月背負う兎 〔8〕
月を背負う兎、腐れ縁の亀を助ける為に神と契約した兎。
月を背負い幾万の時の中、自らを滅する光から逃げ続ける契約。
走り続ける彼女は、何時かの日の様に彼と野原を駆けっこする事を夢見ている。
……それが叶わぬ願いである事も知らずに。
背負う月を降ろしてもその身は強い闇の力を持ち、光を滅する。
・群体空魚 〔4〕
複数の小型空魚が合身する、本来は臆病な性格だが、集まると途端に凶暴化する。
・微笑む羽豚 〔10〕
常に微笑んでいる羽の生えた豚。
その本質は、個々の意思を持たない群体生命体。
崩壊せしめし世界のありとあらゆる場所に存在し、一匹殺せば何処かで一匹蘇る。
殲滅するには全ての羽豚を一つ場所に集め、消し去るしか無い。
・希望の城 〔8〕
崩壊せしめし世界を彷徨い続ける白亜の城。
正体は、かつての賢人達がこの世界より脱出する為に作ったランダム転移装置。
広過ぎる崩壊世界からの脱出が叶ったのか、或いは諦めたのか、それを知る術は無い。