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生き延びた!

俺達は質屋で金を調達し、その金で武具を買った。そしてダイナダケを取ろうとダイナに挑んだが俺のステータスの低さのせいで田沼と俺は崖から落ち、意識を失った…


「う…」

俺は生きていたのか目を覚ますことが出来、状況を把握するために周りを見ると周りは全て海で、俺自身は運良く左手にダイナダケを握っており、海の上に浮かんで寝ていたようだ。ちなみに人間は平均的には海の水よりも軽いので浮かぶことが出来る…人間が海の水よりも軽くてよかったと思った瞬間だった。そしてそんなことを考えているとある事に気づいた。

「田沼は…?!」

田沼のことを思い出し、俺は海に潜って田沼を探すが当たりは真っ暗で見つけられるはずもなく諦めた。

「…ちきしょう。なんでこんなことに…」

俺のせいで田沼が死んだ…その事実で俺の目から涙が止まらなかった…

「ちきしょう…ちきしょう…!」

左手に持っていたダイナダケを一口で食べて嫌なことを忘れようとした。


…ダイナダケを食べ終わると冷静になり、俺は陸地が周りにない以上は俺は流されたと考えられるのでとりあえず陸地を目指して泳ぐことにした。

「くよくよしてられないな…」

俺は自由形クロールで泳ごうとするが服が邪魔して泳ぎ辛かった。

「結構しんどいもんだな…」

もちろん泳ぎ辛かった理由はそれだけじゃない。プールとは違って海は波がある。


波があるのとないのとでは大違いだ。実際海での死者は泳げる人間の方が死にやすいというデータもあったくらいだ。

何故そんなに波の有無で違いが生まれるのかというと…体力の消耗が桁違いに違うからだ。それ故にいつもプールでは長く泳げる人も体力の消耗の違いに慣れずスタミナが切れてしまい…そのままドボン!という訳だ。

俺は中学校時代、水泳の関東大会に出ていたので体力はあったが無理はせずに少し疲れたと感じた時に休憩を入れ、星の位置を頼りに進んで行った。


「しかし、食料はどうするかだ…水と塩は幸いにもこの海でなんとかなるだろうが…問題は栄養失調だな。」

そう…タンパク質や鉄は魚、野菜は海藻でなんとかなるが炭水化物などの他の栄養素はほとんど摂取不可能と言っていい…

「となれば魔物は無理…か?」

魔物は倒したら消えてしまう体質上は食えないと考えるべき…いや待てよ。それじゃダイナダケはなんで食べることが出来たんだ?あいつらの実力ならあんなダイナ如きとっくに倒してもおかしくない…となれば一部の部位を破壊して殺してもその破壊された部位は消されないのか?

「弱った魔物を上手く殺してみるのが一番いいな。」

とはいえ俺のレベルは1…殺せる魔物は限定されている。弱った魔物に狙いをつけて俺は魔物食料化計画を試みた。


そして俺は食料を得るべく背中にある槍を握った。

「あのおっさん…嘘ついたのか?」

俺が槍を握ってもおっさんの言ったように槍が重くならずに、むしろ何も重さを感じず自分の身体の一部のように感じた。

「わからない…だがやってみるか。」

俺は海に潜って魚を探した。

「(…あれでいいか。)」

海の底は見えなかったが泳いでいる魚は見つけたので槍を構えた。

「…」

ドスッ!

魚を刺す感覚を感じ、俺は息を吸うために槍の刃の部分を上にして上がった。

「ふぅ~…」

そして息を吸っては吐いて…その魚を見るとまだ生きていた。

「うるさい奴だ。」

俺はそれだけいって魚を腹からがぶりと食べた…

「美味いな…中々。」

日本の文化には刺身があるし、そう思えるのも無理はないか?だがこれでわかったことはある…この世界と元の世界は生態的にはほぼ同じで違うのはこの世界には魔物がいるということがわかった。

「これなら大丈夫かもしれない…」


しかし、それから昼間は魚を狩っては食べて、夜は星の位置を頼りに少し進んでは休んでの2週間が続いても陸地には辿りつかなかった。


「あれから2週間…少しは進歩してもらいたいもんだ。」

俺はすでに脂肪も筋肉もなくなり始めていた。

「また狩りに行くか…」

そう呟いて俺は魚を再び狩りに向かった…するとそこには魚はおらず代わりに魚の化け物がいた…

「(マジかよ…)」

俺が驚いたのはその魔物が巨大な魔物であったことと、その魔物が傷を負っていたこと…ラッキーなのかアンラッキーなのかよくわからないがこれはチャンスだと思った。

「(一発で仕留める…!)」

しかし、当然一発で仕留めなければならない…食料がどうのこうのと言っている場合ではない。命に関わる事態だ。俺は槍を近づけ…

ドスッ!

一気に魔物をぶっ刺した。

「GUOOO!!」

腐っても魔物で魚とは違い、一発では仕留められず大暴れした。

「(くそっ!)」

俺は必死で槍を握って少しでも奥へ突き刺そうとするが…

「GYOOOOOO!!!」

流石に水中では敵うはずもなく俺はあっけなく振り回され…槍は外され、魔物は俺との距離を取った。

「(くそったれ!一か八かだ!)」

俺は魔物に槍を向けて構え…

「(今だ!)」

そして突進して来たところを狙って思い切り眉間みけんにあたる場所を刺した。

「…」

魔物は白目になり消えて行くと俺の身体が一気に軽くなった。

「(レベルアップか?)」

とりあえず俺は海の中にいても仕方ないので息を吸うために上がった。

「ステータス。」



名前 シュン=カブラキ

種族 人間

職業 風水師

レベル 2

HP 50/50

MP 0/0

力 239(+189)

守 44(+20)

速 44(+20)

経験値 10846



おいおい…どういうことだ?経験値がめちゃくちゃ上がっているけど…今まで狩ってきた魚が魔物だったって落ちか?それともあのデカブツの経験値がヤバかったのか…?しかしこれだけ経験値があってもレベル2かよ…ステータスがレベルの割に高いといっても他の奴らに追いついたかといえばそうではない。

2週間経った今頃…あいつらは高い奴らだとレベル50…いやもっと行っていると考えるべきだ。そう考えると唯一3桁どころか200以上ある力でも厳しいものがある…

「厳しいもんだな。」

俺はそう呟いて槍を持ってしまおうとすると…

『ようやく、レベルアップしやがったか…』

と槍から聞こえ、思わず俺は収納を止めた。

名前 シュン=カブラキ

種族 人間

職業 風水師

レベル 2

HP 50/50

MP 0/0

力 239(+189)

守 44(+20)

速 44(+20)

経験値 10846


装備

武器屋から買った呪われた槍 力に+189の効果

装飾品

竜の首飾り 守と速に+20の効果

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