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異世界初めての夕方

俺達3人はスライムを狩るという簡単な依頼を受けた…しかしスライムに囲まれピンチに陥ったところで海道が現れ、そのピンチを救い…合体したスライム達も倒した。そして現在…ギルドに戻っている。


「お前達…そういえばレベル上がったんじゃないのか?戦闘を見ただけでも経験値に入ってるはずだぜ…事実俺もそうやってレベル上げしたしな。」

海道がそう言って話題を作る…

「「「ステータス」」」

俺達3人はステータスを見ることにした。



名前 シュン=カブラキ

種族 人間

職業 風水師

レベル 1

HP 25/25

MP 0/0

力 10

守 10

速 10

経験値 127



レベル上がってねえ…!?何故だ!?

「あっ!?レベルが4も上がっている!!」

おいおい…そんなにレベル上がっているなんてマジかよ!

「僕はレベル5くらい上がったね。呪文も覚えた気がする…」

レベルアップならまだしも魔法が使えるようになっただと…?!

「ん~?ところでそこの君はどうしたのかな?」

海道が嫌味全開で手を俺の肩に置く。

「レベル1のまんまだ!どうせ俺の職業なんざ不遇職だよ!!」

俺は逆ギレして海道を手を振り払った。

「あっ、これは失礼…ククク…!」

そう言って海道はかなりムカつく笑い方で笑った…こいつ絶対わざとやってやがる…!あの野郎の復讐が終わったらこいつを殴ってスカッとしよう!

「そうそう…俺のレベルも教えておこう…俺のレベルは10だ!」

…おいおい…早すぎだろ!?異世界に来てすぐにレベルが10かよ…どこに行ってもチート野郎め!

「いや~大変だったぜ…何しろ最初の試験で初っ端からスライムよりも遥かに格上のオークとか出てきて死ぬかと思ったな。」

そう言って海道は高笑いをする…

「はは…それは凄いね。」

松平ですら乾いた笑みしか出てねえ…

「そのおかげで今では冒険者ランク☆3だ。この辺から難しくなっていくんだとよ。」

それから海道の自慢話が続いたが聞き流してギルドに向かった。


「もうあん時は大変だったぜ…まさに危機一髪って感じだ。」

海道の自慢話は結局ギルドに到着するまで続き、うんざりするほど聞かされた…

「っと着いたか…」

俺はそう言ってギルドに着いたことに気づいた。

「これからがいいところなんだが…まあいい。それじゃ入るか。」

…レベルが上がってからこいつリーダーシップ発揮し始めたな。松平と折り合いがついたからリーダーシップを発揮したのか?何にしてもこの状況は面倒なこった。


「よっ!アリアさん帰ったぜ。」

どうやら受付の女性はアリアというらしく海道はアリアに馴れ馴れしく挨拶した。

「早いですね…流石勇者様です。」

海道の野郎、相当信頼されてやがるな…目を見てよくわかる。

「さて、それでは報告して貰いましょう。」

アリアにありのままのことを説明した。するとアリアは呆れてしまった。

「全く…それで生態系が変わったらどうするんですか?」

怒り混じりの声でアリアは俺達4人にジト目を向けながら銅貨を渡す。これが銅貨なのか…

「まあまあ…これに懲りて今度からは指定された量よりもなるべく狩らないようになるから目をつむってくれよ。」

海道は俺達をフォローした…少しはまともになったのか?いやそんな訳がない。自分が巻き込まれたくないだけだろう…

「…はぁ、そうですね。過ぎた事を言っても仕方ありません。それでは次の依頼を受けますか?」

そう言ってアリアは依頼を受けるかどうか尋ねた…


「いややめておこう。もう夜になりそうだし無茶は危険だ。」

松平がそう言って窓の外を見ると日が暮れていた…

「そうだね…私も松平君の意見に賛成。夜の活動は控えないとね。」

田沼も賛成か…

「俺も松平の意見に賛成だ。他のメンバー達とも会ってみたいしな…」

そうそう…同級生達の動向は探っておかないとマズイからな。

「ったく…皆がやる気がねえんじゃ仕方ねえ…俺も今日は休むか。」

海道も仕方なく、そう言って休むことにした。

「では皆さまお気をつけて…」

全員が賛成したので俺達は情報入手の為酒場に向かった。


酒場に来るとものすごい数の生徒がいた…考えることは一緒ってことか。まあ今の生徒達の状況を聞くには良いか…

「わっぷ…」

すると1人の生徒が俺にぶつかってきた。そいつは華奢で俺のクラスの男子生徒と女子生徒の両方から結婚したいランキング1位を獲得している早乙女さおとめ恵理えりだ…なんで両方獲得しているかだと?こいつが所謂男の娘だからだ。早乙女の股間にあるものを見せつけられてもなお告白するうちのクラスの男どもは馬鹿なのか、それとも同性愛なのかはわからない。というか知りたくもない。

「早乙女、お前大丈夫か?酒でも飲んだのか?」

しかし早乙女の顔を見ると顔は赤くなっており、酒臭かった…

「らいりょうぶ、僕はジュースをのんらだけだから。」

ジュースって絶対こいつ酒飲んだだろう…

「呂律が回ってねえ…本当に大丈夫か?」

そう言って俺は早乙女の目線に合わせた。


「んー…ちゅー。」

そして早乙女の唇が俺の唇に触れようとした…咄嗟のことなので俺は動けずそのまま硬直してしまった。あ、ここにいる腐った奴らがwktkしているな…

「させるかぁぁぁっ!!」

現実逃避していると田沼が俺の身体を後ろに倒してそれを回避させた…その瞬間腐った奴らは一気に絶望したのが目に見えた。

「いでっ!」

しかし俺は後ろに頭をぶつけてしまい物理的なダメージが来た。

「ハル姉、なんでしゃまするの?」

早乙女が涙目で田沼に抗議するが今の田沼には無駄だった。ちなみに早乙女と田沼は厨二病時代に出来た友人で早乙女は田沼のことをハル姉と呼んでいる…

「さあ、愚かなるこの者に裁きを…」

あ…こいつの厨二スイッチ入ったわ。こうなったら俺は知らん。

「いだだだだっ!?」

田沼の必殺、梅干しの刑…田沼の梅干しの刑はどんな石頭でも痛がり逃れられることは出来ないという恐ろしい技だ…

「南無三。」

そして田沼の梅干しの刑が終わり、早乙女は半分魂が抜けていた…

「鏑木君、君のクラスはいつもこんな混沌カオスなのかい?」

松平が俺にそう尋ねてきた。松平は海道と同じエリート組なので俺達の普通組とは縁がない。

「言うな…」

俺は一言だけそう言っておいた。


しばらくして早乙女は復活して俺は早乙女の情報を聞いた。田沼は厨二病時代の仲間に、松平は女子に、海道はエリート組に情報を聞きにいった。

「へぇ~そんなことがあったんだね。」

早乙女が俺の話を聞いて頷く…

「あん時はマジで焦ったぜ…非常に認めたくないが海道がいなかったら死んでいた。」

本当に認めたくないけど事実は事実だ。ここで事実を話さないとこいつも喋らない…

「そういえば海道ってレベル幾つなの?」

「確か10とか言っていたな。ふざけんなよ、ちくしょう…なんであいつだけ…」

俺はしばらくの間ネチネチグダグダと独り言を言った。

「まあまあ…僕もそんなにレベル高くないし大丈夫だよ。」

そう言って早乙女が慰めるがほとんど意味がない…何故ならレベル高くないとはいったがレベルアップしていないとは言っていない…

「お前はレベル2くらいあるんだろ?」

聞きたくないけど一応レベルアップしているかどうか聞いてみた…

「いや3だけど…」

…こいつは2回もレベルアップしているのかよ…

「どうせ俺は落ちこぼれだよ…俺なんか1だぞ?」

俺はそう言ってカウンターに伏せる…やる気ないな~本当に…

「レベル1なの?本当に?」

信じられないといった具合に早乙女は俺に話しかける。

「ああ…認めたくないがな。」

俺は小さく低い声でそう答えた。

「じゃあハル姉は?」

田沼は…レベルが4も上がっているって言ってたから…

「確か5だな。」

ちなみに松平は6だ…あいつは呪文も覚えたとか言っていたし…やっぱりエリート組は優遇されているのか?

「変だよ…ハル姉と駿は同じくらいの経験値のはずだよね?」

まあそう思うよな…だけどな…

「トリップさせた野郎が言ってただろ?同じ経験値でもレベルアップするのは職業によって違うって。」

現実は残酷だよな…レベルアップするスピードが違うと差がどんどん開く…

「うん…確かにそうだけどいくら何でもレベルアップしないのは異常だよ。」

それでも早乙女は納得いかないのか異常だと告げた…異常ね。確かにそうかもな。

「トリップさせた野郎に喧嘩売っちまったからな。それが原因だろ。」

トリップさせられる日…落とし穴を避けたのが原因だろうな。普通の奴らは空気読んで落ちるけど俺は落ちる訳にはいかなかった…

「どうやって喧嘩売ったのさ…」

早乙女は呆れた声でそう呟く。

「色々とな…」


そして俺は早乙女と別れ、宿に泊まることにしたが…

「すみません。本日は満員なんです。」

の声を何度も聞かされた。そりゃいきなり300人も宿に一斉に押しかけるとは思わないだろ…

「…先生達に相談した方が良いんじゃない?」

珍しく田沼がそう言って教師達に相談するという発想を出した…

「そうだな。それが一番の策かもしれない。」

海道も賛成し、教師達のいるところを確認しようとした。

「その必要はないよ。」

しかし松平は何か思いついたのか意見した。

「え?」

田沼が間抜けな声を出して松平に聞こうとした。

「鏑木君、僕の職業は何だか覚えているかい?」

その空気を読み取って俺に松平の職業を聞いた…まあ今日教えて貰ったことだし覚えてる。

「僧侶だよな?」

それが何だっていうんだ…?

「じゃああそこに見えるのは?」

そう言って松平が指差したのは頂上に鐘があり、白と青が組み合わさった建物…つまり…

「普通に修道院じゃないか…それでどうした?」

修道院に行っても俺は神を信じないし、あの野郎が神だと信じたくもない。…もっともあいつは神と言っていないけど。

「僕が修道院の僧侶として働く代わりに僕達を泊めて貰うのさ。」

「そういうことか…」

松平のことだ…おそらく金と情報だろうな。相談と言って酒場では手に入れなかった情報を集め、金も魔法を上手く使って病人を一時的に治して定期的に集める…えげつないな。

「それじゃ行こう!」

俺達は修道院に行き、院長に会うなり松平が事情を説明した。もっとも半分以上嘘だが…やりとり?こんな感じだ…


「神父さん。ちょっといいですか?」

「ん?どうしました?」

「実は僕は僧侶なのですが後ろにいる3人がさまよっているところを見つけ、助けようとしたのはいいのですが肝心の宿が見つからず、困っています。彼らの休息場としてどうかここに泊めてください。僕も未熟とはいえ手伝えることなら手伝います。」

「ふむ…いいでしょう。二階に空き部屋がありますのでそれを御使いください。」


とまあ…こんな感じで俺達は寝床を確保した。次の日からは松平にこき使われるんだろうな…はぁ…

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