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閉じた貝を開くように
【閉じた貝を開くように】
こじ開けた!
と思える瞬間がある
かっちりと閉じられた貝の口にかけた手を
力づくで 思いきり上下に開くように
動かないものを 動かせたという瞬間がある
生ぬるい風に ただ吹かれて
怠惰な時が過ぎるのを ひたすら待つよりは
激しい向かい風に この身を晒し
心の底から湧き上がる 激しい想いのままに叫べ
こちらが押し込めば 向こうも黙っていない
押し返された時 そこに活路はある
真実を確かめる チャンスはある
臆病になるな 自ら貝になるな
止まった時計の時間に 俺を閉じ込める奴がいるなら
走り出す未来の狭間に そいつを引きずり込んでやれ
貝が開くその瞬間、見えつつある新たな景色の中で
俺は呪文のように 自分に云い聞かせる
逃げるな――




