第九章 英単語
大型電気店で未来が迷っている「どれにしようかなあ」パソコン売り場をうろつく中年の男が一人
「いらっしゃいませ、何か御探しで?」店員が聞いてきた
「あ、いや、最新のパソコンをちょっと」
未来にはどれも魔法の玉手箱のように見えた
「これなんか、先月出たばかりの商品でして、なかなかいいかと」
「は~」
「お探しは、やはりノート型で?」
「は~」
―――伊藤でも連れてくれば良かったな
「ノート型で一番最新の速度の速いのどれかな?」
「はい、それでしたらこちらの商品が良いかと、色はどのような?」
「あ、く、黒がいいかな」
「でしたら、すぐにご用意できます…」
「結構いい値段ですね?」
「本日会員になられたお客様には二万円の割引が適用されます」
「そうですか?じゃあ、これにしようかな」
未来はポンと一括払いでノートパソコンを購入した、久しぶりの大きな買い物であった
当然インターネットも、することにした
未来は久しぶりにパソコンを前にして考えた「キーボードの配置は十年前とは変わらないんだな?」当たり前のことに未来は感心していた
マウスは?
「あれっ」十年前はワンボタンだった、MACだったのだ
「伊藤を呼ぼう」
未来はすぐさまスマートフォンで伸也に連絡を取った「あ、もしもし未来ですが」
「あ、はい伊藤です、どうしたんですか?」
「いや、今ねパソコンを買ってきてみてるんだが」
「へ~先生がパソコン?似合いませんねえ」
「ちょっと、うちに来て、見てくれないかい」
「いいですよ、テレポートして行きますから」
「あ~悪いねえ」プ~プ~プ~
ガタガタン「いててて、テレポート失敗、なんだここは」
伸也が未来のうちの物置にテレポートしてきた
「何か、ガラクタばかり」
「おう伊藤何処から入ってきてるんだ?これが、先生が買ったパソコンだ」
「へ~ブラックですか、あ、でも最近のやつですね!これで、教材とか作っちゃうんですね」
「まあな、それより林田先生から聞いたぞ、物理学科志望だって」
「はい、僕も将来物理の先生になります」
「そうか、だとしたら英語も頑張れよ英語は英単語からだ」また言われてしまった
「英単語か」