第六章 数学と物理
数学物理という授業は滅多にないが物理数学という授業はある
物理は数学を使って表されることが多々あるのだ
未来は物理でよく使う微分積分の授業が数学では3年生の一番最後に教わる事に腹を立てていた
微分積分と聞いて難しそうだと思う人が結構いるかもしれないが、そんなにたいした事はない、物理の基本なのだから
「要するに慣れなのだ、慣れ親しんで微分積分を勉強して欲しい」未来は常々そう思っていた
ということは伸也達は、まだ物理の基礎を学んでいない事になる
それで物理の授業をやらなくてはならない、これは矛盾してないだろうか?
未来は究極の事を言ってしまったと反省した
物理では一次方程式を使う事が多い
Y=aX+b
このY、a、X,bにすべて意味を持たせるのである
意味のない物理で使う方程式はないのだ
「今日は天気いいなあ」伸也が校舎の窓の外を眺め呟いていた
そこへ涼子がフッとテレポートしてきた、そして伸也の横へスッと立った
「なにやってんのかな?そとはぽかぽかよ」
昼休み、教室にはぽつぽつとしか人がいない
「瞑想してるんだよ」
「うあっ何それ?未来の影響?」
「未来か」
伸也は未来にテレパシーを送った「なんで、物理の先生になったんですか?」
未来からこう返ってきた「物理が好きなんだよ、結局は数学が好きなんだけどね!物理には憧れがあるのかなあ?」
「憧れで先生になるなんて…」
「E=ir、君はこれを突き詰めなさい。将来役に立つ!そして物理学を究めなさい!」
まだ高二の伸也には早かったかも知れない、大学進学の希望は出してはいたが、何学部の何学科かといわれると答えられなかった
涼子が伸也に聞いてきた「伊藤君、大学はどうするの?」
「まだこれからだね、行きたいのかどうかも分からないよ」
「私は理学部の数学科に行きたいの」伸也が少し驚いているのを見て
「先生になるわ」と涼子が伸也に告げた