第三章 授業中
今日は朝から体育の授業だった
「あ~走るのやだ」伸也達二年三組は今日はマラソンだ
「こら~真面目に走れ」体育の大田が皆に気合を入れる
よし、ここはテレポーテーションだ、伸也は力を使う事にした
「それっ」五メートルごとに瞬間移動する
しかし、未来の千里眼で監視されているとも知らずに
「次、物理だぜ居眠り確実だな」伸也は未来を好きなのか嫌いなのか、よく分からなかった
同じエスパーとして尊敬はしていたようだ
力は何の為に使うのか?何の為に使えるのか?何の為に使わなくてならないのか?
β波を出しながらの授業、未来はこれを得意としていた
これをされて居眠りする奴はたいした者だ
逆にα波を出して授業をする先生もいる、数学の新田だ!
これをされて眠くならないのはありえない
力を持つ者として居眠りはコントロールしたい所なのだが、伸也はまだその方法を覚えていない
エスパーは居眠りしないのか?
そうでもないようだ
頭の中にα波が入ってくる、すると眠くなる
自然現象だった
「え~これによって運動エネルギーが保存されるわけで~」
「はい、先生」伸也が思わず手を上げた「ちょっと眠くなったので、顔洗ってきます」
「いいぞ、行ってこい」
「眠い奴はみんな顔洗ってこい、それから集中してくれ」
何人かが席を立ち、洗面所へ行ってきた
「あまり、単調すぎたかもな、悪かった。皆もっと物理に興味を持って欲しい」
ブーン教室の真ん中に異次元空間が現れた
そこへ教科書、ノートが吸い込まれていく
「なんだ?、誰だ?」未来が呟いた
「伸也か?」
しかし、伸也はまだ洗面所へ行っている
異次元空間は少しずつ小さくなり
だんだんと消えていった
「今、授業中だ遊ぶならあとにしてくれ」未来は珍しく怒鳴った
それと同時にサイコキネッシスで教室にバリアを張った
授業は再開された
「いったい、誰だったんだろう」未来は考えたが分からなかった
そして、授業は終了