第二章 テスト
伸也がテストの為、勉強をしている。教科書を頭に載せ、うんうん唸っている「くそっ、物理なんか方程式だけ憶えればこっちのもんさ」独りぶつくさ呟きながら、教科書を透視する
mが重さで、aが加速度でイコールFが力か「それが、何だってんだい」伸也が教科書をパンと叩いた
テストの日がやってきた。火曜の一時間目だ
伸也は机の中に教科書を入れ、それを透視しようとしていた。明らかに不正である
しかし、この作戦は未来に見抜かれていた。テレパシーによって、透視を妨害した
伸也はしょうがないので、透視を諦め。実力で問題を解いてやる事にした
そして、テレパシーで未来に反発した「透視は不正ですか?」
未来から返事が来た「当たり前だ」
テスト時間40分、長いようで短い
「はい、回収」テストをすべて回収した
結果は?
100点が二人いた、伸也と風間直樹だ
直樹は2年で古典力学を極めていた。理科は全般に渡り得意なようだ。そして数学も
伸也は帰ってきた答案用紙をぐちゃぐちゃにして、ぽいっと捨てた
それを見ていた直樹が「なんてことしてんの?」と囁いた
その瞬間伸也の耳がキーンと鳴り大きな声のテレパシーが送られてきた
「答案用紙を粗末に扱っては駄目だ」未来が千里眼でそのことを知り、叱ったのだ
「くそっ、未来め、自分の答案くらいどうしようとかってだ」伸也はそう思った
そして、直樹に「いいんだよ」と言い放った
直樹は「やっぱり、委員長としては模範を示さないといけないし、捨てるのはまずいよ」と伸也に忠告したのだ
「ふっ、この俺に忠告とは」伸也が直樹に迫った。しかし、直ぐに考え直し次の試験どうするかだなと思ったのだ。「国語、数学は寝ながら回答するとして、問題は理科と英語だな」
伸也は英語が苦手であった。こてこての日本人で、流石にテレパシーは翻訳してくれない
「英会話習ってもしょうがないのかなあ」伸也は呟いたが、誰からもテレパシーの返事はないのであった
昼休み、伸也は直樹に英語について聞いてみた「どうやって、英語勉強してる?」
「とにかく、英単語。これが基本。後は慣れかなあ」
「海外留学しかないかなあ」伸也はポツリと呟き、天を仰いだ
伸也はテレパシーの周波を変えることで年齢別に会話出来ることに最近気が付いた
へ~結構便利だな、未来は確か30代だよな、あの人英語できるのかなあ?ちょっと聞いてみるか?