第十一章 ネットの住人
「おはようございます」林田の声である
「みなさん、おはようございます」何故か未来がここにいる
「先生、どうしたんですか?」伸也が尋ねた
すると林田が「今日からこのクラスの副担任になりました、未来俊彦先生です」と言うとみんな驚いた様子で「え~、そうなんだ」と声を発した
林田は続けて話をしていった「先生は1、2、3年全員の国語を受け持っているため多忙なので、忙しいとき助けてくれる事に未来先生はなりました、宜しくね」
「こんなときエスパーは楽だよなテレパシーでみんなに挨拶できる」伸也がぶつぶつ呟いているのを涼子が見ていた
「まった、誰かと悪巧みぃ?」
「悪い事言ってないよ秘密さ」
「未来ってインターネット始めたんだよね、ウィルスとかに感染され易そうなんだけど」涼子が人のことを心配している
「あのさあ、ついこの前凄いウィルス除去ソフト手に入れたんだよね、何か、研究所でも使われているソフトらしいんだ」伸也が嬉しそうに話すのは、いつもインターネットの話のときだった
「それ、未来にもあげたら?」
「うん、そうするよ」
放課後
「せんせ~い、記念写真とらせてください」2年3組の何人かの女の子たちが未来のところへ寄ってきた
案外、未来は女の子享けが良かったのかもしれない
「じゃあ、また明日」
未来が喜んだのは間違いなかった
帰宅してきた未来は早速パソコンを机に取り出し、新着メールを見るのであった
またも、ビールを片手に
「あ、いかん期末試験の原稿書かなくては!」
ビールはほったらかしにして、パソコンのキーボードをたたいた
未来にはみんなに百点を取ってもらいたかったが、それだと順番が付けられない
「すこ~し難しいのを入れてと」
「よし、終了」
あっと言う間に原稿を仕上げた
これは長年、報告書などを書いてきただけあって、早かった
「さ、ビールビール」
またもやネットの世界の人間に帰っていった未来だった「インターネットか、時代は進んだのう」ぶつぶつ一人呟いていた