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レ・シエル!  作者: 安眠丸
第1章 入学
6/8

1-5 結果

さてさて、入試の結果発表へと行きます。

今日も元気に頑張りたい……

しかし、それはハヤトとユキに任せて寝ます。

 俺がユキを雇い、表面的に主従関係が成立してから、ユキは毎日のようにはしゃぎまわり、一人でも何度か出かけるようになった。

 その度に、ユキは何かしらの〝お土産〟を持って帰ってきた。

 ある時は、燕尾服、ある時は、メイド服、またある時は、スクール水着。

 すべて、特定条件下でのみ着ることの許される特殊な服だった。

 ユキは、それら全てに袖を通し見せびらかす。ちょっとしたショーだった。

 そのつど、〝ご奉仕〟と称して俺をからかいに来るのはご愛嬌。

 大抵は俺も耐えたが、唯一。

 スクール水着はだめだった……。

 なぜだ、なぜやわらかい。

 あの胸。

 最近のパッドはあんなにもやわらかいのか……?

 股間にもあのモッコリとしたふくらみは無い。

 どうやって隠したのか……。

 諸説あれど、それら全てただの想像に過ぎない。

 真実を確かめるため、ユキを()(タダ)した。

 そして、からかわれた。

 「え、マジ?ボク様にそんなに興奮したの?ホントにお嫁さんに欲しいの?」

 なんて、最後には俺は***だと言われた。

 ユキの毒舌ぶりは恐ろしい。

 俺をからかい、思う存分なじった上でなお、謎は謎のままだ。

 そんな日々を過ごし、気がつけばもう、入試から一ヶ月。

 今日は入試の結果発表だ。

 一時間も前だというのにもう会場には多くの人が集まっている。

 ちなみに、俺は一番乗りだった。

 何となく早めに来たらそうなってしまった。

 まぁ、俺は合格だろうから心配も何も無いが。

 「何をニヤニヤ笑っているの?気持ち悪いよ?それよりも、男に興奮しちゃう***は死ねばいいのに!!」

 今日はユキがついて来ている。

 アレから、ユキの毒舌っぷりは半端無い。

 時折、泣きたくなってくる。

 それでもまだ、俺たちの主従関係?は崩れていない。

 (ハタ)から見れば俺は相当な変態に見えるだろう。

 女に執事の格好をさせ、なじられている。

 ……………。

 「ああ、そうだな」

 ……本当だ。

 ユキの言うとおりだ。こんな生き恥晒(サラス)すくらいならいっそ…

 「えぇ……そんなに落ち込まないでよ!背中がゾクゾクきちゃうだろ!!ボク様だってまだ新世界への扉は開きたくないんだ!!!」

 「そっちか!?心配じゃなかったのか!」

 「心配に決まってるじゃないか!ボク様の結婚初夜、嫁が変態になるかならないかの瀬戸際なんだぞ!!」

 「お前は、交際相手もいないだろう!」

 「いいもん、いざとなったらハヤトをお嫁にしてあげるから」

 「俺は、男だ!!」

 それ以前にユキのほうが、女っぽいだろう――――

 と、これは禁句だ。

 「それ以前に俺にはソッチの気はない!!」

 「ソッチってどっち?」

 「どっちも無い!!!」

 どっちって、二つもあるのか?

 「そっかぁ、まぁどうでもいいや。そんなこと…」

 早くも飽きてきたらしい。

 こっちはどっと疲れたが……。

 「ところで、もう発表されるみたいだよ?」

 前方の掲示板に目をやると、数人の教師の手によって結果が張り出された。

 「俺の番号は……」

 1110082だ。

 0080……0081……0083……

 あれ?

 もう一度……

 0080……0081……0083……

 俺の受験番号が間違っているのか?

 おかしい。

 そんなはずは無い…。

 絶対に…。

 足元から崩れる落ちた。頭がぼぅっとしてくる。

 遠くから、俺を呼ぶ声が聞こえたような気もするが反応ができない。

 突然、衝撃が俺の頭を襲い、視界が暗転した――――。

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