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レ・シエル!  作者: 安眠丸
第1章 入学
3/8

1-2 帰路

聖翔入学前の日常編です。

会話が入り、初めて主人公以外の主要人物が出てきますので、ノリもいいかもです。

 聖翔の入試も好感触で終わった。高確率で上位に入るだろう。

 さて、聖翔に入学した場合、必要なものが多々出てくる。

 そのためには大量のお金が必要だ。

 ふと、自身の異様に膨れ上がった財布を覗き込む。

 ………………レシート?

 財布の中身は、殆んどがレシートだった。

 買った覚えの無いものばかりだ。

 おそらく、アイツの仕業だろう。

 もう慣れた手つきで、携帯を耳に当てる。

 「は~い――

 「おい、ユキ。俺の金はどうした」

  ―――こちらの電話番号は現在、使われておりません。電話番号をご確認の上、もう一度おかけ直し下さい。」

 単調な電子音が三度続き、俺の眉間に皺がよる。

 あの、迷惑同居人が……。

 「ユキ、怒らないから―――

 「ほんと?よかったぁ、怒られたらどうしようかと思ったよ。ハヤトは怒ると可愛いけど怖いからね。マジで、心臓止まっちゃうよ。いや、むしろズキュンズキュン来ちゃうね!」

 俺が言い切る前に、ユキは電話の物まねを突如切り上げ、矢継ぎ早に言い切る。

 いつものことだが、面を食らってしまう。

  ――――お前、気持ち悪いぞ?」

 「えぇ~、分かってくれよう。ハヤト(カネヅル)に愛を囁いてるんじゃないか。つうか、可愛いについては何もツッコミなし?むしろ、認めてる?」

 「認めるか!」

 「えぇ~そんなんじゃ、ボク様の胸を撫で回せるのはいつの事やら…」

 「撫で回すか!!気持ち悪い!!!」

 コイツは男だ。

 「えぇ~、知らないの?近頃は初対面の相手によく言い寄られる、(チマタ)で人気の美少年っ娘なんだぜ?」

 ユキは小柄で女顔、長髪ときている。たとえ男物で着飾ったとしてもちょっとボーイッシュな娘としか認識されないことも多い。

 「いや知っているが」

 少し、間の悪い沈黙が続いた。

 ユキは、これでも女っぽい容姿にコンプレックスを持っている。たまに自虐ギャグなんか言うが、そのたびに落ち込んでしまう。ユキの不可解な行動の一つだ。

 「でさ、」

 「なんだ?」

 「試験、どうだった?」

 「うまくいったよ。」

 顔が和らぐ。

 「そう……そんな気もしてたんだよね……」

 電話の向こう側でいつに無く、ユキが沈んでいる。

 「なんだ、ずいぶん落ち込んでるな。お前も受けたのか?」

 「そ、そうなんだよ。受験うまくいかなくて、アレは落ちたかなぁって!アハハハッ」

 「そうか、それは残念だったな。まぁ、これで俺も厄介な同居人から離れられる。」

 「そうだね…」

 「お、おいおい。ただの冗談だ。そんなヘコむな。」

 「いや、ヘコむよ。だってだって、愛しのカネヅルがいなくなってしまうんだもん!!!」

 「ついに本音出しやがったな!!!」

 あまりにもひど過ぎる言い分に声を張り上げてしまい、周囲の注目を引く。

 俺はあまり人の目を気にする方ではないが、携帯電話相手に声を張り上げている俺は――――

 ―――痛々しいものだった。

 顔を少し紅く染めながら、歩を早める。

 「いやぁ、これから生活費どうしよう?」

 「働け」

 「そうだね」

 「やけに素直だな。」

 いつものニート生活を思い返せば、不自然極まりない言動だった。

 裏に何かあるのではないかと疑いたくなってしまうほどだ。

 まぁ、いい傾向であることに変わりない。

 「まぁね、コネがあるから。」

 「そうか、それなら安心だな……まぁ、ユキなら喫茶店にでも行けばいくらでもアルバイト先は見つかるからな。」

 「いや、ボク様は喫茶店では働くつもり無いよ。」

 「じゃあ、なんなんだ?やはり、ウェイターあたりが適切だと思うが…」

 それ以外のものだとなんだ…。

 やっぱ、執事やメイド辺りか?

 だが、コイツだとむしろ主人に世話されそうだな…………。

 「そうだね、ボク様もそう思うよ」

 なにやら、嫌な予感がする。

 「だからさ、ハヤトがボク様を執事として雇って!!!」

 「断る」

 「ハヤトしか頼れる人がいないんだ!」

 「断る」

 「なんだったら、メイドにだってなっちゃうよ!!!」

 「断る」

 「なんでさ!!!」

 「当たり前だ!!!」

 当たり前だろう!聖翔にまで着いてくるつもりか!

 何で、金払ってまで俺がお前の世話係をしなくちゃならん。

 「友達だろ!?」

 「そんなもの関係ない」

 「可愛らしいボク様が汚らしい豚どもに(ケガ)されてもいいの!?」

 「大袈裟(オオゲサ)な……」

 「〝大袈裟だ〟なんて、よく言えるね……」

 「いや実際――――

 「ボク様がどれだけの豚どもに『君、可愛いねぇ。一万でどうだい?』って言い寄られたか知ってる?」

 ――――すまん」

 そうだった。コイツの場合、シャレにならない。

 コイツは、一人じゃ満足に外も歩けない時もあるくらいだ。

 「悪いと思ってる?」

 「あぁ」

 「ホントに思ってる?」

 「思ってる」

 「だったら、雇ってよ」

 「いいだろう、ただし――――

 「ただし?」

 「金返せ」

 ツーツーツー

 ホントに切りやがった。

 まぁ、いい。後で請求してやる。

 さて、そろそろ部屋の前に着く。

 歩を少し速めよう。

感想ホシーです。

まだまだ若輩者ゆえ、どんな風に書いたらいいのやら・・・・。

アドバイスがんがんお願いします。


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