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異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケ転移、狙われ少女の自立と結婚〜  作者: 三多来定


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47.それぞれの言い分①

「すみません、取り乱しちゃって」


 聖女の部屋で、20分くらい泣いて落ち着いたミコトは、キダンに謝った。


「いや、こちらもごめん。配慮に欠けたよ」


 キダンもミコトにペコリと頭を下げる。


 しばらく沈黙が続く。


 キダンは意を決してロイに話しかけた。


「あの、ロイ君…。ずっとミコトちゃんを膝に乗せたままなのかなぁって…」


 それは、ミコトも大いに思っていたところだ。


 ロイは泣いているミコトをずっと抱きしめてくれていたが、泣き止んでからは、膝に乗せたまま、椅子に座り、離してくれないのだ。


「ダメですか?」


「ダメじゃないけど…」


 ロイの平然とした態度と言葉に、キダンは困った顔をした。


「あの、ロイ、私もう大丈夫だから、隣の椅子に座るよ」


 ミコトは隣の椅子を指差した。

 が、ロイは首を横に振った。


「重くないから、このままで。それで、臨時諜報員でしたっけ?」


 重いとかそういう問題ではないのだが、話が進んでしまった。


 キダンも渋々頷く。


「その方が、ミコトちゃんとロイ君が一緒にいられるし、護衛も要らないかなぁって…」


 ロイは少し考えた後、「いや、やっぱりダメです」と言った。


「壁や屋根に張り付くのはミコトでは…」

「壁や屋根に張り付くなんて、ロイ君にしか頼まないよ。普通の人には無理だから」


「俺、何をやらされてたんですか…」


 ロイは肩を落とした。


「ミコトちゃんは、接触要員だよ。女性だと男は油断するからね」

「ダメですよ!」


 ロイはすぐさま断る。


「男と話すなんてダメです!」


 キダンはガクッとうなだれた。


「ロイ君さ、そんな溺愛ぶりだと、危ないんだって! 分かるでしょ?」


「外では抑えますよ」


「いーや、無理だね!」


 ミコトはロイとキダンを交互に見た。


 溺愛かどうかは疑問だが、話がよくわからない。


 ロイは溜息をついた。


「真面目な話、騎士団も今人手不足なんですよ。今日ミコトに明日から出勤してもらえないか聞きに来たくらいなんです」


 ミコトは驚いた。


「え! そうなの? 私、騎士団の仕事したい!」


「本当? 送り迎えは俺がやるから…」


「大丈夫だよ? 補助杖もらったし」


 キダンは、「ほらぁ!」と言った。


「本人に自覚なし! だったら、四六時中ロイ君といた方がいいんだって! ミコトちゃんもロイ君も、諜報部門に来てよ!」


 突然、ドアがバタンと開く。


「何を不穏な話をしてるんですか!」


 見ると、リントとマリーとセイラが立っている。


 不穏な話と言ったのはリントだ。


「お父さん!?」

 これは、マリー。


「あれ? リントも来たんだ?」

 これは、ロイ。


「ちょっと! リント君! 何でこんな時間にマリーといるのかなぁ!」

 これは、キダン。


「何でミコちゃんを膝に乗っけてんの!? 離れなさいよ!」

 これは、セイラ。


「諜報員って何ですか! 勝手に引き抜かないで下さいよ!」

 これはリント。


 なんかもう、めちゃくちゃだ。





「順番にいきましょう。まずは、セイラ」


 全員をマリーが黙らせ、ミコトとセイラとマリーがベッドに座り、テーブル周りの椅子に、ロイとリントとキダンが腰掛けた。


 聖女であるセイラが一番手だ。


「アイツがミコちゃんにキスマークを付けまくったから、怒っています!」


 ミコトは顔を手で覆った。

 それを、ここで言っちゃうのかぁ。


 ロイは、さすがに気づいていたようで、ペコッと頭を下げた。


「それについては、謝ります。ちょっと、夢中でした」


 夢中って!?


 その場にいた全員が赤面した。


「次は気をつけます」


 次って!?


 ミコトはベッドに倒れ込んだ。


 セイラは溜息をついた。


「ミコちゃんが可哀想だから、もういい!」


 この話、トップでする必要あっただろうか。


 次からの話が入らない…。





「次は、ロイ」


 マリーは呆れながらロイを促す。


「俺は、ミコトに会いに来て、キダンさんがいて驚いたって感じかな。リントまで来るとは思わなかったけど」


 ロイはリントを見る。


 リントは溜息をついた。


「マリーと買い物をしてました。送るついでに聖女を迎えに行って、聖女棟に戻ってきたら、1階の団員から上の様子がおかしいけど、団長に来るなと言われていると報告を受けたので、様子を見に来ました」


 マリーとリントは一緒に買い物をしていたのか。

 最近よく一緒にいるし、そういう事なのだろうか。


「ああ、そうなんだ」


 ロイはアッサリ納得し、ロイの番はすぐに終わった。

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