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異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


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158.森の中の襲撃

 第3エラルダ国の仮面舞踏会の会場である森の中の館から、拠点の宿屋までの森の小道をミコトは早足で歩いていた。


 やってしまった……! とミコトは後悔の念に駆られていた。


 これから尋問だという時に、あんな色ボケたワガママを言うなんて、なんかもう、完全にアウトである。


 キダンも呆れていたし、ロイもキスしてくれたけど、勝手に盛り上がっているミコトを見かねて、仕方なくしてくれたに違いない。


 ウミノさんとネルさんにメイクをしてもらうことになっているのに、何故それまで待てないのー!?


 ミコトは徐々に小走りになり、「うわー」と叫んでいた。



 護衛のため、ミコトの5m程後ろを歩いていたタリスは、ミコトが走り出したので、慌てて歩くスピードを上げた。


「あの靴で、速っ! てか、なんで走る……?」


 ちょっと、いや全然意味が分からなかったが、タリスは後をついて行った。




 


 もうすぐ森を出る、というところで、ミコトは歩くスピードを落とした。


 気配を消している奴に、つけられている……!


 ロイの力のおかげだろう。

 気配遮断していても、ハッキリと分かる。

 人数は3人だ。


 以前、キダンが言っていた。

 気配遮断ができる奴は結構いる。

 ロイもリントも出来る。

 

 でも、それを使う奴は、悪意のある人物だ……!


 


 タリスは、つけられているな、と感じ取っていた。


 タリスは普段は魔物を相手にしているのだ。

 気配を消していても、木々の揺れ方や、落ち葉を踏む微かな音で分かってしまう。


 ミコトも気付いているのか、歩くスピードを落として、周りを警戒しているのが分かる。

 しかし、これに気付けるなんて、やはりただの女性ではない。


 ミコトがふと、気分が悪いフリをしてその場にしゃがんだ。

 うまい、とタリスはミコトに駆け寄る。


「……大丈夫ですか?」

「はい。3人……」


 タリスの問いかけに、ミコトはかなり小声で答える。

 タリスは袖からナイフを2本取り出し、両手に構えた。


 木々の影から、ガタイの良い男が2人、姿を現した。


「この人に、何か用でもあるんすか……?」

 タリスが男2人に問いかける。


 男2人は、顔を見合わせて、アハハと笑った。


「もしかして、ボディーガード気取り? アンタにつけられていたから、その女性は逃げていたんでしょ?」


 この男たちには、ミコトが走っていたから、タリスから逃げていたように見えたようだ。


 と、いうことは、こいつらは別にミコトを狙っていない?


 ミコトとタリスは、目配せをする。

 

 無駄な戦闘は避けたい。

 ミコトはタリスを見て驚いたフリをした。


「お、お兄ちゃんっ!」


 タリスは、ギョッとしながらも頷いた。


「生き別れた妹っ!」


 男2人は、さらに大声で笑った。

「演技下手かよ!? 」


 演技下手って言われた!?

 ミコトとタリスはショックで呆然とする。


「俺らはさぁ、アンタらの関係なんて、興味ないんだよ。そっちの奥様さえ来てくれれば、ね」


 男2人は、ニヤニヤと笑っている。

 やはり、ミコト狙いのようだ。


 ミコトは、第2か、古代魔法か、初代聖女信仰か、どれだ? と身構える。


 タリスは、ミコトを絶対に守れと言われた意味が、今ようやく、腑に落ちていた。

 何故かは分からないが、この少女は狙われている。

 本人もそれを分かっている。


 それに、そうも見えないが、病弱のはず……とタリスはミコトを守るように立った。


「生捕りでお願いできますか?」

 ミコトの小声に、タリスは頷いた。


「お兄ちゃん、やる気?」

 男たちは、笑うのをやめて、剣を抜いて構える。


 ミコトは、どのタイミングでロイに知らせようか、と考えていた。


 ケイの尋問の最中だ。

 出来れば邪魔をしたくない。

 

 でも、判断を間違えて、また取り返しのつかない怪我人が出たら……。

 ミコトの頭の中に、ニアとソルが思い浮かんだ。

 ソルの母親が「どうして助けてくれなかったの!?」と言った言葉が、頭に響く。


 危ないと少しでも感じたら、ロイを呼ぶ。

 尋問中だから、なんて、考えない!


 男2人が、タリスに向かって駆けてきた!

 

 タリスは男2人の長剣に臆する事なく、ナイフで応戦する。


 やはり、タリスは強い!

 2対1なのに、男2人は完全に押されている!


 だが、もう1人隠れているのだ。

 どう仕掛けてくる!?


 ミコトは姿を見せないもう1人の敵に意識を集中させる。

 と、森の中から、一本の小型ナイフがタリス目がけて飛んできた。

 ミコトは、そのナイフを、金髪のウィッグに隠していたナイフで、叩き落とした。


 カァンと音が響いて、飛んできたナイフは地面に転がる。


 それを見た男2人は、タリスから、バッと離れた。


「な、なんだ、その女……」

 男は、ミコトを見て驚愕している。


 ナイフを叩き落としただけで、こんなに驚いている?

 こんなこと、騎士団員なら、出来ても不思議ではないのに?

 ミコトと知って、襲ってきた訳ではないのか?


 男2人は、ボソボソと話すと、踵を返して、ダッシュで逃げて行った。

 と、同時に、森の中のもう1人も、逃げていく気配がする。


 タリスは、男たちの行動に驚きながらも、「追わずにホシナさんに報告して指示を仰ぎます」と呟いた。


 ミコトも頷いて、「了解」と呟いた。

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