表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/194

154.隠し武器

 仮面舞踏会に潜入する当日の15時、第3エラルダ国の拠点の宿屋の4人部屋で、ロイとタリスとキダンは用意してあったタキシードに着替えていた。


 ノックの音が響き、準備を終えたミコトが姿を現すと、男性メンバーたちは、思わず歓声を上げた。


 金髪のウィッグを付け、濃いブルーの細身のカクテルドレスを纏ったミコトは、まさに、20歳前後の超美人の人妻だったからだ。


「いいねぇ! これは、予想以上だよ!」

 キダンは驚きを隠さず賞賛する。


「おお……! ロイさんの奥様でなかったら、口説いています!」

 ホシナも、もしかしたら金髪なら何でもいいのかもしれないが、大絶賛である。


「え、どういうこと? 誰……?」

 タリスは、ミコトと分からないようだ。


 ミコトはロイを見る。

 ロイはふっと微笑んだ。


「うん。ミコト、すごく綺麗だよ」


 結婚式の時と同じ、薄い反応の褒め言葉。

 でも、いいんだ。

 この格好は、ロイに向けたものじゃない。

 ロイには、夜のミコトで勝負するんだ。


「ミコトさん、スッゴク綺麗ですよね! 今回は仮面舞踏会で瞳が隠れますので、思い切って金髪にしてみました!」


 ネルが自信満々に説明すると、ホシナは「ありがとうございます!」と頭を下げた。


 別にホシナの為の金髪ではない、と全員が苦笑いする。


「ミコトさんの肌は陶器のように綺麗なので、ノースリーブで胸元は谷間がやや見える程度、スリットは深めのネイビーブルーのドレスにしました!」


 ウミノもドヤ顔で説明する。

 タリスは小声で「え、やば……」と呟く


 何がヤバイのだろうか。


「これは、男が群がっちゃうかもねー。タリス君、よろしく頼むよー?」


 キダンはタリスの肩をポンと叩く。

 タリスは、ミコトから目を逸らし、「あの……」と言った。


「今さらっすけど……、この囮訳、別に他の女性でも良かったんじゃないすか? 完全護衛体制な上、なんていうか、変装レベルのメイク技術だし……」


 確かに、言われてみれば、そうかもしれない。

 ウミノとネルの技術なら、誰でも美人に出来るだろう。

 これが、ミコト一人なら、ミコトも普通の女性よりは強いので理解できるが、わざわざAランク冒険者を護衛で雇っているのだ。


 キダンはアハハと笑った。


「タリス君は、若いなぁ! 人妻好きを長年やってるとね、人妻かそうでないかは、なんとなーく、におい? で分かるんだよー」


「に、におい?」

 タリスは顔をしかめ、ミコトとウミノとネルは、一歩後ずさりをした。


「仮面舞踏会って、実は既婚者狙いの未婚の男女の参加も多いんだ。僕もそうだしね。そんな中、ケイは必ず、人妻を個室に連れ込むんだよ。すごくない?」


 男性メンバーは頷いているが、女性メンバーは、ドン引きしている。


「仮に、ウミノちゃんやネルちゃんを参加させても、人妻じゃないからケイは釣れないんだ。ハイ、ここで問題です! 若い人妻が、この捜査の協力をしてくれるでしょうか?」


 ウミノとネルは「旦那様いたら出来ないよねー」と小声で言っている。


 タリスは、「金次第?」と答える。


 何だか、ミコトがお金で引き受けたみたいで、微妙である。


「正解は、旦那が許さないので無理! でした!」


 キダンの答えに、「俺も許した訳じゃないですけど……」とロイは言っている。


 その様子を見ていたホシナは「あと……」と呟いた。


「こういう会というのは、危険な上に、ハマってしまうんですよね。だから、一般の方にこのような依頼は諜報部門ではしないのです」


 あ、なるほど……と、全員納得の表情を浮かべた。


「そうそう。仮面舞踏会って、結局メンバー大体一緒なんだよねー。みんなハマってるんだろーね」


 ハマってる一人が何を言ってるんだか……と、全員肩を落とす。


「まぁ、了解です。仕事はキッチリやります」


 タリスはそう言うと、小型のナイフをバラバラと袖から出した。


 あんなにたくさん袖に仕込んでいたのか、とミコトは目を見張る。


「それじゃあ旦那様のウィッグを……」

「あ、待ってください」

 

 ネルの言葉を遮って、ロイはミコトの前に立った。

 そして、ミコトのスカートの中に手を入れる……


「ロイ先輩っ!?」

「ちょ、ロイ君っ!?」


 タリスとキダンの驚愕の声が響く中、ロイはミコトのスカートから手を出した。

 手には、小さなナイフを3本持っている。


「やっぱり、こんなところに仕込んでる! 隠し武器は禁止って言ったよね?」


 ミコトはサッとロイから目を逸らした。


「胸は? 仕込んでる?」


 ロイは躊躇なく、ミコトの胸の谷間に手を入れる。


「あ、やだぁ! 手を入れないでー!」

「あっ! 2本も入ってるっ!? ミコトッ!」

「だって、この格好には隠し武器なんだよ!」


 ロイは5本の小さなナイフをバラバラと下に落として、ミコトの体を触った。


「やん! くすぐったい!」

「他には? 隠してない?」

「ちょっとロイ君!!」


 キダンの大声に、ロイはハッとなり、手を止めた。


「それ、別室で、二人きりで、やってきてくれる?」


「あ……」


 ロイとミコト以外の全員が、完全に白けた目で、二人を見ていたのだった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ