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異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


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149.愛の形と闇組織調査メンバー

 ロイに聖女の部屋まで送ってもらった後、すでに寝ていたセイラの隣で、ミコトはぐっすり眠った。


 起きたら午後2時で、セイラも起きていた。


 もうすぐ闇組織調査で二人と会えなくなる。

 

 ミコトは、二人にケーキの食べ放題を提案し、三人でショッピングを兼ねて出掛けることにした。




 第1エラルダ国の首都を三人で歩きながら、マリーは溜息をついた。


「後ろの護衛がウザイわ……」


 3人の2m程後ろに、騎士団員が4人ついてくる。

 ミコトは苦笑した。


「あれがリントの愛の形ってことで……」


 マリーは少し驚いた表情になった。


「ミコトが愛だなんて……。そういう事も言うのね」


 ミコトは赤面した。

 

「リ、リントのは分かりやすいし……」

「ミコちゃんはぁ? アイツの愛の形はないのー?」


 セイラは意地悪な顔でミコトを覗き込む。

 ミコトはニヤリと笑い、カバンの中の10枚の金貨を二人に見せた。


「あるよ! 今日はこのお金で豪遊をします!」


 セイラは「おお!」と言い、マリーは頭を押さえた。


「愛の形がお金って……、ミコトが成長してしまったわ……」

「ち、違うよ! このお金は、一緒に魔物を倒した記念のお金なんだよ!」


 二人は「魔物?」と言う。

 ミコトは、先日の巨大モグラ討伐の話を二人にした。


「二人でやった巨大モグラ討伐がすっごく楽しくてね、その上金貨も貰えちゃって、ほら、愛の形でしょ?」


 ミコトが笑顔で2人を見ると、セイラとマリーは曖昧な表情をしている。


「ごめん、ミコちゃん。結婚指輪を注文した後、魔物討伐のデートって、ハッキリ言って、なし!」

 セイラは体の前で、腕をバツの形にした。


「100歩譲って、魔物討伐デートでもいいのだけど、ロイの知り合いの冒険者の人がいたんでしょう? 二人きりでもないじゃない」

 マリーも人差し指を交差させて、バツの形をつくる。


「えー! 楽しかったのに……」

「あれ、ミコトさん? だったよね」


 突然名前を呼ばれて振り向くと、今まさに話に出てきたタリスが立っている。


 後ろの護衛4人は、サッと構える。


「タリスさん! あ、大丈夫です、知り合いなんです!」

 ミコトは騎士団員に慌てて説明をする。


「ミコトさん、護衛がいるの!? ぜんっぜん必要ないじゃん!」

「ぜんっぜん!?」


 タリスの言いように、ミコトは微妙な気持ちになる。


「私の護衛じゃないです! この2人の護衛です!」


 ミコトはセイラとマリーをタリスに紹介した。

 タリスはセイラとマリーを見ると、一歩後ろに下がり、小声で「どうも……」と言った。


 やっぱり、照れ屋のようだ。


「タリスさんは、どうしてここに?」


 タリスは横を向いて「仕事……」と言う。

 

 そりゃそうか。

 Aランクの冒険者だ。

 何かの依頼だろう。


 ミコトたちとタリスは、会釈をしながら別れた。


「よし! ケーキ食べよう!」


 可愛らしいケーキとお菓子のお店に入るミコトとセイラとマリーを見て、護衛の4人は、溜息をついたのだった。





 午後4時。

 政務棟の会議室で、闇組織捜査のための会議が行われていた。


 今回の司会進行役は、諜報部門の部門長のキダンである。


 会議のメンバーは、代表のアレン、騎士団顧問のカイル、騎士団長のロイ、副騎士団長のリント、諜報部門の副部門長のホシナの6人である。


 キダンが諜報部門の部門長だったことも驚きだが、副部門長のホシナという男に対しても、ロイとリントは驚いていた。


 ホシナは50代の男で、隻眼、隻腕だったのだ。

 気配から実力はありそうだが、諜報員としては風貌が目立つ。


「まずはぁ、初めましての人を紹介するね! ホシナさん、騎士団長で国家特別人物のロイ君と副騎士団長で未来の僕の息子のリント君だよー」


 何だその紹介は……と、ロイとリントはホシナに会釈する。


「んで、諜報部門の副部門長のホシナさん。ホシナさんは、数ヶ月前まで僕の上司だったんだよ。ホシナさんたっての願いで、役職を交代したんだよー」


 役職の交代?

 そんな事あるのか、とロイとリントは顔を見合わせた。

 ホシナは、んんっと咳払いをした。


「コイツの責任をとるのが嫌になったんです。本当は辞めたかったんですが、他の部下に泣きつかれて仕方なく副部門長として残ったのです」


「あ、凄くよく分かりました……」


 ロイとリントは納得の表情で頷いた。

 アレンとカイルは、深い溜息をつく。


「ホシナさんはね、元騎士団員なんだよ! ね、カイルさん」


 気にした様子もなく、キダンはカイルに笑いかける。

 カイルは頷いた。


「ああ。30年前までは俺の部下だったよ。久しぶりだな、元気だったか?」

「はい。キダンが何もしなければ元気です」


 ホシナは大真面目に答えている。

 キダン被害者の会がつくれそうだ、とロイは思っていた。


「ま、僕の悪口はここまでにして、まず闇組織調査のメンバーを発表します!」


 キダンは、黒板に石灰で名前を書き出した。


「まずは、諜報部門の部門長の僕、キダン。得意な事は書類操作や各種偽造、細かい作業は何でもやれちゃいます。但し、腕っぷしは弱いでーす」


 そういえば、キダンの実力は見たことがないな、とロイは頷いた。


「次に、ホシナさん。片腕、片目のお茶目なおじさんです。諜報のノウハウと闇組織に詳しいです。でも見た目が目立つので、表には出ません。片腕なのに、結構強いでーす」


 軽いメンバー発表だな、と全員が溜息をつく。


「んで、今回一番重要なメンバー、ロイ君! 規格外の実力もさることながら、諜報に役立つ各種秘密能力を持ってます! でも記憶力がアリンコ並みでーす」


 アリンコ!?

 ロイは机に突っ伏した。

 アレンとカイルとリントは、笑いを堪えている。


「あとは、ここにはいないんだけど、ロイ君の奥さんのミコトちゃん。騎士団ナンバー3の実力者で15歳の可愛い巨乳少女なので、目の保養になりまーす」

「ちょっと、キダンさん!」


 ロイが席を立つと、キダンは「まだメンバーいるので黙っててくださーい」と言った。

 ロイは渋々席に座る。


「少数精鋭でやるつもりなんだけど、これだと少数すぎるので、信頼できる筋から、Aランク冒険者を紹介してもらいました。Aランク冒険者のタリス君でーす!」


 会議室のドアが、ガチャリと開き、タリスが入ってくる。

 ロイは再び席を立った。


「タリス!?」

「どーも。ロイ先輩……」


 タリスはペコリと頭を下げる。

 キダンは驚いている。


「あれっ? ロイ君の知り合い?」

「あ、はい。北の大地で一緒で……。あとは……あれ、どこで一緒だったっけ……?」

 ロイは首を傾げる。


「ロイ先輩が8歳の時まで、3年間同じ剣術道場でした。よろしく……です」

 気にした様子もなく、タリスは挨拶をする。


 キダンは呆れた顔をする。


「ちょっとロイ君! アリンコ記憶力を早速見せないでよ!」


 アレンとカイルは笑っている。


 リントは、このタリスという男がミコトの言っていた奴か、と納得した。

 ロイは記憶力は確かに悪いが、先日も会ったなら、こんな忘れ方はおかしい。

 ミコトが心配するのも頷ける。


 タリスはリントの隣に座り、リントに会釈をする。

 リントも会釈をしたが、何故最初から会議に加わってなかったのだろう、と疑問に思っていた。


「あと、補助的な手伝いをするメンバーもいるんだけど、その人たちはあくまで補助で調査内容も知らせないので、当日顔合わせになりまーす」


 全員、頷く。


「それでは、詳しい手順を……」

「あ、あの!」


 タリスは手を挙げた。

 キダンは「タリス君、どうぞー」とにこやかに言う。


「ミコトさんもメンバーなんすよね。さっき町で会ったけど、呼ばなくていいんすか?」


 会議室が、しんとなる。

 タリスは、しまった! と思っていた。

 もしかしたら、ミコトが町で遊んでいた事を告げ口した形になってしまったのかもしれない。


「ミコトは、元気だったか?」

 代表のアレンが、神妙な顔つきでタリスにきく。


「あ、はい。いや、えーと……」

 もしかして、仮病で会議をサボっているのか? とタリスは目を逸らす。


「マリーと聖女と町に遊びに行ったってことですよね。元気ですよ、きっと」

 隣の席の副騎士団長のリントが言う。


 アレンとカイルは、ハァーと息を吐いた。


「三日連続で倒れたというから、心配したじゃないか!」

 アレンが安心したように言う。


「いやいや、出かけられるくらい元気で良かった」

 騎士団顧問の、カイルも安堵の表情だ。


 タリスは目を丸くした。

 もしかしてミコトは病弱なのか? と。


 タリスの様子を見て、アレンはコホンと咳払いをした。


「タリス君、すまんな。ミコトは会議には出なくてもいいんだよ(ドアを壊すから)」


「そうなんだよ。ミコトは元気でいれば、会議なんていいんだよ(変な魔法使うから)」

 カイルもウンウンと頷く。


「タリス、ミコトは元気が一番なんだ(本気)」

 ロイは笑顔だ。


「ミコトちゃんはねぇ、元気でさえいれば、それだけでいいんだよー(全部察したけど、面白いから大げさに乗っかっちゃおう)」

 諜報部門長のキダンも頷く。


「俺も同意見です(全部察したけど、説明が面倒くさい)」

 リントはサラッと言う。


 最後にホシナという片目片腕の男が大きく頷いた(ミコトと会ったことがないのでよく分からないが、皆に合わせた)。


 なんてことだ。

 

 ミコトは両親に大金で売られた(想像)上に、大病を患っているのだ。

 病弱だと分かっていて、ロイは嫁に迎えたのだ。


 タリスの目頭が、また、ジーンと熱くなった。

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