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異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


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135/192

135.聖女のミコト見学

 ミコトの茶会の話を聞いた次の日、リントは久しぶりに休みをとって、マリーと隣町に行く事にしていた。


 早朝、聖女棟にマリーを迎えに行くと、ものすごく機嫌の悪いセイラがドアを開けた。


「リントまでマリーを連れてっちゃうなんて、騎士団なんて、くそくらえだ!」


 セイラは手に持っているフォークをぶんぶん振り回す。


 リントはそれを避けながら、「あー、ミコトがいないからか」と言った。


「セイラ、ごめんね。なるべく早く帰ってくるから…」


 奥から、グレーのワンピースを着たマリーが出てくる。


「マリー、今日もすごく綺麗だよ」


 リントの言葉に、マリーは笑顔で「ありがとう」と言う。

 セイラはチッと舌打ちをする。


 このままでは、マリーはセイラを心配して、本当にさっさと帰ってしまいそうだ。


「あのさぁ、そんなにミコトに会いたければ、騎士団に行けば? どうせミコトは救護班にずっといるし」


 リントの提案に、セイラは顔をしかめた。


「私はミコちゃんの邪魔はしない主義なの!」


「あっそ。ミコトが聖女を邪魔に思うことがあるとは思えないけどね」


「それもそうね」

 マリーはリントに同意する。

 

 セイラは少し考えて、「騎士団に行く!」と元気に答えた。





「あれ、副団長? 今日はお休みですよね」


 騎士団の入り口で、リントの姿を見かけたコランは、リントに駆け寄って声をかけた。


「コランちゃんだっ!」


 リントの後ろから、セイラがひょこっと顔を出す。

 コランはギョッとした。


「リントもういいよー。後はコランちゃんに護衛してもらうよ!」


 セイラはリントに手を振る。


「ど、どういうことですかっ!?」


 コランはリントに詰め寄った。

 リントは苦笑する。


「えーと、聖女のミコト見学? です。コランさん、後はよろしくお願いします!」

「ええっ!?」


 リントはペコリと頭を下げると、ダッシュで逃げて行った。

 コランがリントに追いつける訳がない。


「コランちゃん、救護班に連れてってよー」


 コランは、ガックリと肩を落とすと、「こちらです」とセイラを案内した。





「セイラ!?」

「ミコちゃん!!」


 セイラはミコトにガバッと抱きついた。


 救護班にいた、シーマと班員3名は、突然の聖女の登場に、驚きを隠せないでいる。


「ごめん、なんか、聖女のミコト見学? らしい。」


 コランは、シーマに説明とは言えない説明をした。

 しかし、シーマは、「いいですね!」と顔を輝かせた。


「よろしければ、聖女様もミコトさんの隣で一緒にやりませんか?」

『ええっ!?』


 ミコトとコランの驚いた声が重なった。


「私、勉強は苦手だから寝ちゃうよ」

「寝てもいいですよ」


 寝てもいいのか!? とミコトとコランは顔を見合わせる。


「じゃあやるー!」


 セイラは嬉しそうに、ミコトの隣に腰掛けた。

 救護班員たちが、素早くノートとペンを用意する。

 ミコトは、隣にセイラが座って、ノートにペンで落書きをし始めたのを見て、ハッとなった。


 これ、学校だ。

 小学校で、3年生からセイラと同じクラスになり、ミコトは大体セイラの隣だった。

 セイラはいつも、ノートに落書きをしていた。

 これが結構上手なのだ。


 ミコトの目から、涙があふれる。


「ミコちゃん、泣いてるの?」


 セイラはミコトの涙を、袖で拭いた。


「だ、だって、懐かしくって…」

「うん、そうだね」


 救護班員たちとコランは、ミコトが何故泣くのかよく分からなかったが、どうやらこれでいいらしい、という事は分かった。


 結局、セイラは30分で寝てしまったが、ミコトの勉強は、とてもはかどったのだった。

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