表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/191

108.チェコの能力?

 次の日の朝、起きないキダンは放って置いて、ロイは、サロン・カラスまでの道を歩いていた。


 途中の道に、露店が数十件並んでいる。

 昨日はこんなに店が出ていなかった。

 今日は何かあるのだろうか。


「そこのお兄さん! 彼女にどう?」


 アクセサリーの露店の女性に声をかけられる。


「いえ…」

「たまには彼女にプレゼントの一つでもしないと、飽きられちゃうよ?」


 プレゼント?

 ミコトに、プレゼントか。

 プロポーズ用の短剣をあげたことはある。

 後は、家?、ケーキ?


 いや、家もケーキも、お茶会のための必要経費である。


 そういえば、お金をミコトに預けているのに、ミコトが好きなものを買っている様子は全くない。


 ロイは足を止めて、アクセサリーの露店の商品を眺めた。


 ネックレス、イヤリング、指輪、髪留め、ブローチ、いろいろ置いてあるが、ミコトがアクセサリーを身につけていることはないので、よく分からない。


 でも、北の大地から帰ってきた次の日、ミコトはアクセサリーショップにいた。

 もしかしたら、こういうのが好きなのかもしれない。


「奥様の黒髪には、真珠がいいと思いますよ?」


「確かに…って、ええ!?」


 後ろから聞こえた声に、思わず返事をしたロイは、驚いた。


 ダークレッドのワンピースに黒いコートを着た、黒髪の女性が、ロイの後ろに立っている。


 間違いなく、チェコである。


「おはようございます。第1のロイさんですよね。私のこと、覚えていらっしゃいますか?」


 ロイは仕方なく頷いた。

 今から潜入しようと思っていたお店の重要人物に、バッタリ会ってしまったのだ。

 こういう、殺気のない普通の人物が、実は一番困る。


 チェコは真珠が散りばめられたカチューシャを手に取った。


「実は真珠が一番映えるのは、黒なんです」


 そう言うと、カチューシャをロイに渡す。

 ロイはそれを受け取り、露店の女性に「買います」と言った。


 チェコは目を丸くした。


「驚きました。即決なんですね」


 ロイも目を丸くする。


「選んでくれたものとばかり…?」


 チェコはクスクスと笑い出した。


「存外、素直な方なんですね」


 ロイは、あまり女性と話さないので、これが褒められているのか馬鹿にされているのか、判断がつかない。

 悪意は感じないが…。


 ロイはお店の女性に金貨を払い、他の真珠のアクセサリーも手に取った。


 ミコトはいつも髪をポニーテールにしているので、結び目に付ける飾りも似合いそうだ。

 自然と耳が出るので、イヤリングも似合うだろう。


「あ、あの、そんなに買われるのですか? 少々、重いかと…」


 次々とアクセサリーを手に取るロイを見て、チェコは思わず口を挟んだ。


「重い…?」


 確かに、全て身につけたら重いか? とロイが思っていると、チェコはふっと吹き出した。


「いえ、重量という意味ではなくて…」


 ロイはハッとなる。

 重い男という意味だ。


「贈り物は、こまめに、一つずつ、がいいのですよ」


 ロイは赤面しながら、手にしていたアクセサリーを戻した。

 恋愛初心者丸出しである。


「ああ、でも、そうなんですね。思った通りです」


 チェコは、ホッとしたように、呟いた。


「思った通り? ですか?」


 ロイが聞き返すと、チェコは真面目な表情で頷いた。


「これから先、もし奥様のご希望がございましたら、ぜひ私の事を頼って下さい」


 ロイは驚きを隠せないでいた。

 悪意はないが、核心である。


「ど、どういう意味、ですか…?」


 チェコは「そのままの意味です」と言うと、目を伏せた。


「私、もう、行きますね。あの、コ、コランさんに、よろしくお伝え下さい」

「え、あの!」


 ロイの止める間もなく、チェコは踵を返して、人混みの中に消えて行った。


 カラスとは逆方向だ。

 

 コラン…つまりキダンに、何をよろしく伝えたらいいのだろうか。


 キダンは振られてめちゃくちゃ落ち込んでいたのに、チェコは普通に見えたし…。


 いや、それよりも、ミコトの希望とは?

 チェコの能力は、男の本心を見抜くことではない?


 混乱する頭のままロイは、その後昨日のようにカラスに潜入したが、チェコも兄も不在で、昨日以上の成果はなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ