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~ 白い雪が降るころに ~

白い結晶がきらめきながら街に降り注ぐ

気温はー3℃、手がかじかんで思わずジャケットのポケットの中に突っ込む。寒い。

風はそこまで強くはないが、寒さを感じるには十分な強さだ。


「まったくこんな日に限って買い物なんて頼みやがって…」

ぶつぶつ文句を垂れ流しながら街中を歩く

あと三日後には大晦日だ。毎日憂鬱でたまらなかった学校もしばらくはない。ゲーム、漫画読み放題とウキウキしていた矢先にこれだ

頼まれたのは大掃除用の洗剤、掃除道具あと...…今日の夕飯の材料


「……何が‘‘ちょっとした‘‘買い物だよ!?くそ多いじゃねーか!!」

思わず突っ込んでしまった。まだ17歳のかわいい息子をこき使いやがって

帰ったら文句を言ってやろうと心に決め、とりあえず暖かさを求めて店に入る

渡された買い物メモを見ながら、何とか掃除用具は買い揃え、今日の夕飯の材料を買くうためにいつも行ってるスーパーに向かう


重い、寒いと再度文句を垂れ流しながらのしのし歩いていると、突然視界にあまり見かけない家が入った。

普段よく歩いている道に見知らぬ家が突然現れたらそりゃ…見ちゃうよな…?

ふと立ち止まり少し罪悪感を覚えながらまじまじと眺める

どっしりと構えた門の奥に広々とした日本家屋、池のある庭、そこに薄く広がる雪の層、現代日本ではもうあまり見られないその光景はとても幻想的で美しいと感じざるを得ない

まじまじと観察していると、俺はあることに気づいた

半開きの障子の奥から何かがキラキラと光っている


「なんだ?」


今は雪が降っているし当然太陽も出ていない

何が光ってるんだ?ライトにしては光は弱いから違うよな…

どうしても好奇心が抑えきれず、何かに引っ張られるような感覚になりながら門の敷居に足が乗った

その時


「私の家に何か御用ですか?」

「………っ!?!?」


思わず心臓が止まりかける。振り返るとそこにはこの家の持ち主であろう人物が立っていた

今の季節にとても似合いそうなサラサラな銀髪を揺らし、色素の薄い瞳、整った顔立ち、血色の悪い肌

この家にぴったりな和装にグレーの羽織を肩にかけていた。一言でいうと「儚い美人」

少し見とれてしまったがハッと意識を戻す。門の外で帰宅途中であろう家主が俺を見ていて、俺は片手にビニール袋を持ちながら、敷居を跨ごうとしている。

今のこの状況はだれがどう見ても俺は不法侵入をしようとしているやばい奴だ


(どうにかして誤解を解かなきゃ…)


このままだと警察を呼ばれるかもしれない

どう弁明しようか悩めば悩むほど焦りで言葉が詰まる

結局「えっと…あの…俺…そ…なく…」しか言えなかった。俺ですら自分が何を言ってるのか分からん

ごもごもしている俺を見た家主は困ったような、でもどこか怪しく感じるような笑顔で

「よかったら上がっていくかい?」

と言った

予想外の言葉に俺は戸惑う


「え、いいん…ですか?」

「君、私の家が気になってたんでしょう?私の家は今の人にとっては珍しいからね。特に面白いものはないのだけれどそれでもよければ」


この寒い気温の中、重い荷物を持って20分歩いていたというのもあり疲弊していた俺にとってそれはうれしい提案だった

だけど俺も馬鹿じゃない。自分の家に不法侵入をしようとしていた男をわざわざ招くなんてどうかしてる。なにか高額なものを買わされるか、警察に通報して俺を引き渡すための時間稼ぎをするつもりなのかもしれない

俺の思考はぐるぐるしているとしているが、家主はニコニコしながらこちらの返事を待っている



(まだ15時だし、少し寄り道をしてもいいか。悪い人には見えないし、やばそうだったら逃げよう)

「じゃあ…少しだけ…」

そう言い俺は名前も知らない不思議な家主に招かれついていくことにした


この出会いがこれからの俺の運命を左右することになるなんて、この時の俺は思ってもみなかったんだ



水魚(みずな)です。久々に戻ってまいりました。

大昔に執筆していた作品はどれも止まっていたため戻ってきたのを機に心機一転、こちらの作品を私水魚の初作品とさせてください。

三日に一度のペースで緩やかに進めていこうと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

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