第06章 宇宙選別システムの核心モデル
この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。
「銀河を超える種」と「絶対悪(黒)」の役割
1、生命の選択は予測できないが、原初の本能は普遍である
生命は多様な進化ルートをとるが、生存・繁殖・支配・資源確保という
原初のアルゴリズムはすべての知性生命に共通する。
これは、銀河を越えるほど発達した文明でも消えない。
だからこそ、
銀河を越える文明が現れること自体は、宇宙規模の必然
と考えられる。
2、銀河を越える種は「良い種」か?
「良い種」とは、
・優れた適応力
・文明複雑性
・長期的持続性
・自己進化能力
を兼ね備えた種のこと。
銀河を越える能力を得た=宇宙農園のビニールハウスを突破できる生命体
であり、それ自体が「選別された優良種」ということになる。
3、では、優良種が死の銀河に接触したらどうなるか?
ここが非常に重要な視点で、銀河同士が接触するとき、
片方が「死の銀河」だった場合、
それは病原体に満ちた環境へ突入する行為に等しい。
可能性は3つ:
①ウイルスに感染する(=価値観汚染・文明崩壊)
死の銀河の価値観・暴力性・混沌が侵入し、優良種が崩壊する(致死的)。
②耐性を獲得する(=さらなる進化)
死の銀河の混沌を理解し、吸収し、より高次の文明として再構築する。
③接触した側が死ぬ(毒薬銀河シナリオ)
死の銀河が猛毒化していて、優良種ですら耐えられない場合、文明ごと焼失する。
4、宇宙の目的は、この「耐性試験」にあるのか?
宇宙そのものが、文明に耐性実験を課している。
つまり、
銀河を越える=上級試験の開始
死の銀河との接触=最終試練
この試練を乗り越えられた文明こそ
宇宙管理レベル(GalacticStewardshipLevel)
へ進む資格を持つ。
耐えられなければ淘汰。
耐えれば管理者候補へ進化。
銀河とは、宇宙農園に並ぶ巨大な苗箱。
銀河間飛行が始まると、苗箱を越えた「本当の選別」が開始する。
5、「毒」
毒=一方的な悪、と見てしまうが、宇宙では悪は価値観の相対性が生む。
人類から見れば毒でも、相手から見れば人類の価値観が毒に見える。
したがって、文明同士の衝突は善悪ではなく相互異質性の衝突である。
しかし
6、それでも「絶対悪」は存在する
相対論的ではなく、宇宙規模でみても避けられない黒がある。
「絵の具の黒」と呼んだ存在。
黒とは:
文明を飲み込み、複雑性を破壊し、すべてを均一化し、動きを止める力。
特徴:
・文明を喰らう
・文化を断絶させる
・多様性を破壊する
・最終的にエントロピー最大(死・無)へ収束させる
黒は価値観ではなく、宇宙構造に内在する縮退の力そのもの。
これは熱力学的にいえば「宇宙の死の傾向」に近い。
黒は相対的善悪ではなく、宇宙存続の敵としての絶対悪と定義できる。
7、宇宙管理者への条件
宇宙は「黒」に勝てる文明しか管理者にしない。
つまり
黒(絶対悪)に飲み込まれず、異文明衝突から耐性と知恵を獲得し、
多文明共存の白(光)を実現できる文明こそ、宇宙管理者になれる。
言い換えれば:
黒を理解し、超える者だけが宇宙の意思に選ばれる。
「宇宙は生命を選別する農園である」というモデルは、
まさにこの管理者システムの比喩として成立する。




