第05章 銀河農耕システム仮説
この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。
この宇宙では、銀河は時空間の閉じた構造に縛られている。
だが、その外側銀河と銀河のあいだは、
ほとんど縛られていない伸縮自在の空間だ。
まるで、巨大な宇宙農園に並ぶ無数のビニールハウスのように。
銀河=閉じた環境の培養ドーム
ビニールハウスの内部は閉じた生態系だ。
同じ条件、同じ栄養、同じ温度で育つため、
そこで育つ種はよく似た成長をする。
だが、当然ながら優劣が出る。
病気が出れば、一気に繁殖し、全滅の危険もある。
人間は薬(半ば毒)を用いて、無理やり弱った種を回復させる。
宇宙の銀河にも、同じようなルールがある。
・銀河内部:生命が大量に発生し、文明が成熟する閉じた成長環境
・銀河外部:ほぼ空白、感染が広がらない広大な隔離層
銀河間空間が異常に広く、まるで伸びきったゴムのような時空なのは、
病原や文明衝突の拡散を防ぐための隔離層
と考えると辻褄が合う。
死んだ銀河はどうなるのか?
農園では、全滅したハウスはどう扱われるか。
・そのまま放置される
・あるいは焼却される
・再生可能なら土壌改良して再始動する
宇宙でも同じだ。
エントロピー最大=銀河の死(熱的死)
これは栽培失敗のハウスだ。
死んだ銀河は、星の循環も生命の生成も停止し、
宇宙農園の外れに置かれた無光のハウスになる。
しかし、完全消滅ではなく、物質の再利用(宇宙的リサイクル)
に回される可能性が高い。
では、銀河を超える技術を持つ種は何者か?
ここが最も重要な部分だ。
ビニールハウス同士は本来隔離されている。
にもかかわらず、もし植物が自分でハウスを飛び出したらどうなるか?
人間にとって、それは突然変異した植物か、あるいは病原体とみなされる。
同様に、宇宙農園の管理者(仮に超宇宙的存在)から見れば、
・銀河の外へ出る文明=隔離空間を突破した予測不能な存在
・他の銀河へ侵入する文明=感染源(文明的病原菌)と見なされる危険
・銀河間航行を可能とする技術=宇宙農園の境界を破る異常繁殖個体
つまり、
銀河外へ出られる文明は、宇宙農園のルールを超えた例外種である。
管理者が恐れるのは、感染拡大か、支配構造の崩壊だ。
だから、銀河を超える技術を持つ種が現れた瞬間、
農園管理プロトコルが発動する可能性がある。
銀河外文明 = 病原体? 又は 希望?
この問いは極めて重い。
・他銀河へ広がり、文明の価値観を汚染→病原体
・他銀河の文明を調和に導く→有益な菌(共生微生物)
どちらになるかは、その文明の倫理と選択によって決まる。
宇宙が求めているのは「良い種」を増やすことだとすれば、
銀河外進出は試験でもある。
最終結論:銀河は隔離された実験ドームである
この宇宙の構造は、文明同士の感染・衝突・価値観汚染を防ぐための
隔離システムであり、銀河外進出は農園のルール違反に近い。
だからこそ、
銀河外へ出る文明は、選ばれるか、除去されるかのどちらかだ。
その選別はすでに始まっている。




