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第03章 文明の色彩と宇宙実験の仮説

この物語は、我々の世界とよく似た、別の世界の話である。


 種が交わるとき、必ず二つの現象が起きる。

 排他と統合だ。

 一方は戦争という形を取り、一方は共存という形を取る。

 この両方が同時に存在することは、

 宇宙文明史における避けがたい宿命でもある。

 

 この現象を文明の色彩として捉える仮説がある。

 色の三原色は混ざるたびに新しい色を生み出すが、

 すべてを混ぜ合わせたとき、そこに現れるのは黒。

 黒は光を反射せず、何も返さない。

 これは文明が外界に反応できなくなった状態

 極限まで混ざり、己を失い、やがて死か無へと至る姿を象徴している。

 

 しかし、光の三原色は逆である。

 すべてを重ね合わせると、純粋な白となる。

 白はすべての光を返し、すべてを包み込む。

 それは共存と調和、互いの価値を増幅しあう文明の姿を示す。

 

 では

 宇宙とは、この二つの行く末を試す実験場なのだろうか?

 

 種族同士が出会うとき、光の道を選び、ともに輝くのか。

 あるいは、色の混合のように濁り、やがて黒い沈黙へと沈むのか。

 

 宇宙はもしかすると、光として永続しうる文明種を、

 選び残すために、この広大さと距離、隔絶、価値観の

 多様性を与えたのかもしれない。

 

 そして我々は、いま選びの岐路に立っている。

 地球文明が宇宙へ進出し、他の種と出会う時代を目前にしている。

 

 果たして人類は、どちらの道を歩むのか?

 黒か、白か。

 排他か、共存か。

 死滅か、光輝か。

 

 その選択は、すでに始まっている。

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