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周回移動都市ヴェルサイユ  作者: 犬のようなもの
《セカンドオーダー編》            [番外編]京伝
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〔番外編第8話〕ドラゴン救助隊

 


 ドラゴンは2機のスフィアに潰されそうになる京をただ眺めることしかできなかった。

 その絶望感と無力感が己を叩き上げる。


「よし…嬢ちゃん…。今助けを呼んだから俺も一緒に…」


 そんなドラゴンの呟きを横で聞いていたスラっと背の高い女が問いかける。


「お前も来んのか?お前…戦えェなさそうだけど、どこ所属だァ?」


「かかかかかかカンネ•ロード様ッ…おおおお俺は外壁メンテナンス作業員“ドラゴン”です…」


「じゃぁお前ェ…なんでこんなとこにいんだァ?」



 それからドラゴンは大聖堂に巻き込まれたここまで来た経緯を説明した。



「…災難だったな。ドラゴンとかいったか?」


「あぁ…はい。ドラゴンです。」


「しかし、嬢ちゃん助けに行くのはアタシじゃねェ。お前だ。」


「え?あっでも、ヴェルサイユの住人が和同の連中と連合のメイトンに捕まってんですよ?」


「アタシも助けに行きたい気持ちは山々だがなァ…私は“ヴェルサイユ”の“六防”だ。市民権の無いお前らにチカラを貸すことはできない。」


「ッ…チクショウ…市民権ッ…あぁ゛チクショ…そういや嬢ちゃん市民権無かったァ…」



 ——————バシッ!



 カンネ•ロードはドラゴンの背中をバシッと叩き、励ます様に言った。


「お前ェが助けんだよ。サポートはする。」


「でも、今…チカラを貸すことができないって…」


「まぁアタシはこの後、やらなきゃいけねェことがあんだが…アタシの部下が偶々(たまたま)道に迷っちまってお前の所について行くかもしんねぇ。」


「カンネ•ロードさんッ…」


 つまりカンネ•ロードはグレーなやり方ではあるが、ドラゴンに手を貸してくれると約束してくれているのだ。

 つまり、手の空いている部下(戦闘員)こっちに(京救出作戦)回してくれるという事だ。


「まぁそん時はァ〜道教えてやれや。」


「あ、ありがとうございますッ。」


「アタシは何もしんねェよ。じゃぁそろそろ時間だから、お互い生きて会おうぜ。」


「はい。必ず。」


 そしてカンネ•ロードは数人の部下をその場に残して、どこかへ行ってしまった。








 ———————————————#####



 その場に残されたカンネ•ロードの部下達2人はそれぞれ大根役者の様な芝居を始める。


『あれぇ〜…道違ったかにゃぁ〜…』

『あれれぇ〜ここの道だったはずたったけどぉ〜おじさんなんか知ってるぅ〜?』


「え〜と…俺知ってるぅぜ…道…」


『はぁ〜!ちょうどよかったにゃ〜!』

『ねぇ、ニヴァ…もう、そろそろその“にゃ〜”ってやつ辞めなよ…イタイよ…』

『はぁぁぁぁぁぁあ?』


 カンネ•ロードの部下2人が目の前で言い争い始めたのでドラゴンはそれを止めて自己紹介を始めた。


「まっ!まずは…自己紹介しようぜッ!」


『ん〜そうだね。ワタシはニヴァ!よろしくね〜!』

『僕は、周回移動都市 第Ⅲ師団カスミ部隊 副隊長 “セネカ•ミル•レイディ”だよ!』


「まぁ薄々勘づいていたが…やっぱり副隊レベルのセネカさんだよな…。あぁ、カンネ•ロード様よぉ…凄い人をありがとうございます…」


 セネカはドラゴンのその言葉を聞き、ふふーんっと鼻を高くしている。


『にしても、おじさん。よく僕達の居る場所まで避難してこれたね。』


「スフィア2機が暴れてたのは何とか運で乗り越えた。でもその後、撤退した連合の残党に攻撃されて…その時ベリエッタが…」


『えぇ?!ベリエッタどっか行ったと思ったらおじさん達、助けに行ってたの?!』


『確かにワタシもベリエッタどこ行ったのか気になってた〜。んで、ベリエッタは今どこにいるの?』


「…俺が今から助けようとしてる京って人を庇って潰れた。」


 ドラゴンのその言葉にニヴァとセネカはそれぞれ、あちゃ〜と言った様な顔で呟く。


『あぁ〜それはグロイわ…』

『どんまいすぎるよ…』


「その間に俺はカンネさんのところまで逃げてきた事になる。」


『大変だったねぇドラゴン…』


『大丈夫だよ!ベリエッタは不死身だからほっといたらそのうち復活してるよ!あっでも…連合に一部掻っ攫われてたらぁ〜…』


 ベリエッタはあの四騎士の一人だもんな…まぁ今は嬢ちゃんを助かる事に集中しよう…。

 ん?『連合に一部掻っ攫われてたら』ってなんだ?


『ん〜おじさん言うか迷ったんだけどね。カンネ•ロードは多分その京とかいうお嬢ちゃんを助ける為に僕達を残していったわけじゃないと思うんだよね。』


 セネカの気まずそうな態度にドラゴンは困惑する。


「え、じゃぁ…何の為に…?」


『それは決まってるにゃぁ〜!ワタシ達が捕まったベリエッタの電源を再起動させる為にゃぁ〜!』


「え?」


『あ〜、えーとね。つまり、ニヴァが言いたいのは再生妨害されてるベリエッタを復活させるって言いたいの。まぁ例の嬢ちゃんはそのついでに助けてあげるって事だね〜。』


「つまり、ベリエッタは今復活できない様にされてるって事か?」


『さぁ〜でも、帰ってこないって事はそうなんだろうね。さぁ行くよ〜!おじさん死ぬ覚悟はいい?』


『セネカ辞めなよ。副隊レベルなんだからドラゴンを死なせない!ぐらい言いなよ…』


『まぁねぇ…メイトンがいない時間に攻めるつもりだけど、連合の“奇襲”を“奇襲”するって事だからね〜。』


「俺は大丈夫だ。俺はこう見えて数千年生きてる…。自分の命ぐらい自分で守れる…と…思う。」


『まぁ…おじさん。気を張らないで!』


『うんうん、メイトンさぇいない時間に奇襲できたら余裕よ!』





 そして、京救出作戦が開始された。


おじさん呼び。一人称僕。→セネカ。

ドラゴン呼び。一人称ワタシ→ニヴァ。

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