5話 神様の頼み事 不気味
動き出します。そしてツグネと兎達の話がそろそろ交差してきます。読者目線よくわからない話をダラダラ長々書いてしまって申し訳ありません。これから説明がされ物語が動き出します。
「ツグッネさん…はぁ…はぁ…今回は何回でっ…すか…?」
「今回はぁ…べっ…別にっ…そんな…」
息を切らしながら森に横たわる2人の男達。2人は滝の様な汗と今にも死にそうな息を整える。2人はしばらく歩き洞窟を見つけて休む。少し進んだ先に涼しげな洞窟があった。
「おっ、ツグネここ湧水ありますよ。」
「いいね、洞窟の湧水は特にうまいからな。」
ーーーピチャッ。
2人は洞窟の水をすくって飲む。
「なぁあの犬みてぇな…バケモンみてぇな〜人間今まで見たことあるか?」
「ある訳ありませんよ。あんなの人間ができる動きじゃなかったですよ…足場の悪い場所を四足歩行って…まぁ確かに足場悪かったら四足歩行の方が早いけど…人間って、四足歩行の方が遅いんですけど…」
「まぁバケモンみてぇな運動神経してるんだろうなアイツ」
「ほんとそうですね。ツグネが居なければ僕たぶん瞬殺でしたよ…」
「良かったな“俺側”に居て。」
「ええ、ほんとですよ…」
2人は休憩し終わった後再び歩き出す。
「もう少し洞窟にいたって良くねえか?」
「まぁせっかく逃げ切れたんですし念には念を入れましょう…」
「ん。まぁそうだな。」
森を抜けて草原を歩く2人。疲れが溜まった足で進む先、目的地はこの“都市”で1番の“街”。
「そういえば、僕達が“奪った”あれってどこで売り払えるんでしょうか?」
「あー、大丈夫だ。もう奪う前に話は通してある、っていうかそいつが欲しがってたんだけどな。」
タフナは不思議そうな訝しげな表情を浮かべて言う。
「んー…なんかあれですね。化学物質?というか化学兵器とか何ですかね?」
「俺も良くわかんなぁな…今から依頼主に渡しに行く訳では無いが渡す時に聞いてみようぜ。俺も気になる。」
「そうですね。こんな水滴…怪し過ぎますよ…」
小さな頑丈で透明な瓶の様な物の中に入れられている水滴。バケモンみたいな身体能力の奴はこれを取り返しに俺達を追ってきた。相当ヤバい物なのだろうか?まぁ今の俺らには関係ないが生きていくためにはこの都市の通貨ぎ必要だ。その通貨を大量に入手してこの都市の“権利”を買わなければならない。まぁ人権みたいなもんだな。
「あの〜ツグネさん。」
「ん?なんだ?腹減ったか?」
「違いますよ。これからの予定とか話してくれません?」
「あーそうだな。俺達は追手を避ける為に1週間潜伏する。まぁ俺的には2週間は欲しいんだけどなぁほら、バケモンみたいな奴いたじゃんあいつこぇーじゃん。」
「思ったより先は長いですね。潜伏先とかは決まってるんですか?なんかその口ぶりだと決まってそうですが…」
「決まってるがびっくりすんなよ…」
「えぇその言い方なんか怖いですよ…」
草原には牛や羊の“様”な生物が悠々自適に歩いている。草原に生えている草をムシャムシャ食べながら気ままに鳴き声をあげている。あーなるほどこの草原やけに管理されていると思ったらこの生物達が芝刈り機みたいな役目を果たしていたのか、、、ん?
「タフナ…しゃがめ人がいる。」
その号令でタフナとツグネは体勢を低くしてゆっくり観察する。そして2人はひそひそ声で話す。
「ツグネさん。あれなんか人が大きい羊みたいな奴の上で寝てません?」
「あぁ、なんか周りの生物も集まって寝ているなあそこ…なんかすげぇメルヘンチックだな、おい。」
2人の目に映る光景はメルヘンさながらだ。絵本の中をのぞいてるみたいな感覚に陥りそうになるがぐっとこらえる。しかもよく見るとパジャマの様なラフな服を着ているではないか。
「あ〜…羨ましいなぁ〜…あれ絶対モフモフでいい眠りに着けるじゃないですか…」
「やめろ、今は“権利”を得てからにしろ。」
「いい目標が出来ましたね…僕達の夢が。」
「やめろよ…別に俺は羊みたいな奴の上で寝たくないし…」
「なんですか。小学生みたいな反応やめません?」
「うるせぇな。あんなやつほっといて行くぞ。」
「はいはい。」
2人はメルヘンを横目に静かに起こさぬ様に足を運び迂回して通り過ぎる。目指すは取引相手の居る街だ。
草原を抜けると再び山道に入り小さな村があった。タフナはこれが街かと思ったがツグネに否定された。目的地の街はもっと大きいらしい。
『待ちな。アンタ達』
2人は後ろから掛けられた声に驚き後ろを振り返る。知らないおばさんがいた。この村の人なのだろうか?まずい、この都市の住人にはできるだけ見つかりたくなかったがでもこうなった以上仕方ない。
「あ、え、何ですか?」
『見ない顔だねぇどっかのお孫さんとかかな?』
「あ、んーえ、俺達は隣町からこっちの方へピクニックしに来ただけですよ。」
『ほう、じゃぁあっちの街出身の人かい?』
「えー、あ、はい。」
『新人さんかい?』
「ん…ぁん?新人…?」
『あーそうかいごめんねぇ新人さんじゃないんだねぇ、今からどこへ行くんだい?』
「あー…エヴァンの方へ…」
ツグネの回答にタフナはギョッとした。何を馬鹿正直に本当の情報を言っているのかと、しかし、嘘とほんとを織り交ぜて話すのは悪いことじゃないが目的地を話すのは流石にまずいのではないだろうか…
『エヴァンの方へ行くのかい?それは大変なことだねぇ遠いいだろう、ちょっと待ってな。』
背負っていた皮で出来たバックから何かを取り出して渡してきた。
『ほら、これ林檎ジャムとパンどっちも手作りで作り過ぎたわハッハッハッ。』
「あっ、あざすっ…」
「あ、ありがとうございます。」
2人は2人しか伝わらない声でボソボソ話す。
「どうする。姿を見られた。」
「何言ってるんですか仕方ないですよ。でも普通の村人じゃないですか、しかも手土産もくれて。」
「いや、俺は…」
「僕達が自分の保身の為に優しい人が傷つくのは嫌です…」
「あぁそうだな…」
そして2人は目的地に向かって歩き出そうとした時おばさんがボソッと言った。
『アタイはさぁ“都市”のいざこざが嫌でここへ逃げてきたんだ。せめてさこれから何か挑戦する若者を応援するぐらいは頑張りたいのさ。』
「あぁでも、俺達がする事がお前らにとっての“悪”だったらどうする?」
『それでもアンタ達にとっては“善”なんだろ?アンタらの目を見りゃわかるさ、じゃぁ1発かましてきな。ハハっ。』
「ふっ、いい性格してるな…」
2人は再び歩き出す。気持ち良いぐらい爽快なおばさんだった。言葉の端々から感じる重みは僕達にどんな意味を与えるのだろうか。
太陽も落ち始めた昼下がりの午後3時、心地よい日差しとそよ風を受けて緩やかな山道を歩く。別に俺達はこの都市をどうこうしようとなんてこれぽっちも思っていない。
人工的なトンネル、とは言っても古いトンネルに入った。暗いが先が見えなくなるほどではない慎重に進んだ。
「ツグネさん、もうすぐ街ですね。」
「あぁそんな感じがするな。」
2人の目線の先には舗装された道があった。割としっかりした石の道だ。排水機能も良さそうだ、しっかり整備されていて良い街がありそうな予感がする。2人は先を進む。
ーーージャリジャリジャリ…ジャリ…
トンネルを抜けた先、鎖の音がする。
『お前ら誰だ。ここで何してんだよ。』
街と街を繋ぐ門番的な人なのだろうか、その原始的な太い鎖に繋がれた大きな刃物。あれを振り回せる体格には見えないがそういう類の“ギア”なのだろうか。危なそうだ。私服とはかけ離れた迷彩の柄を着た門番、胸に部分に膨らみがあることから女と考察できる。
「お、俺達はこの先の街に用があるんだ…できればその物騒な物をしまってここを通してくれないか?」
ーーージャリンッ
トンネルを抜けたばかりだから光が眩しく感じる。やっと目が慣れてきた。ん?
ーーードゴォォォオンッ!!
「ほぇっ?」
ツグネとタフナの間の地面が割れる。
「ちょちょちょちょちょっま、待って下さい!!いきなり楽に話もしないでっ」
ーーードゴォォォオンッ!!
「ちょぉぉぉぉお!、!!」
軽々と振り回される鎖に繋がれた刃物、しかし先についている刃物の反対面は金槌みたいになっている…というかアレ肉を叩いて料理する時のそれにしか見えないっ…
2人はトンネルの奥は引き返す。
「は、話をきけよぉぉおぉぉぉおお!!」
「そ、そうです、は、話を!!」
トンネルの奥に入った瞬間攻撃の手が止んだ。やっと話を聞く気になったか?
『もう一度聞く、お前ら誰だ?』
ーーージャリンッ。
「お、俺らはしがない行商人だ!!!ほ、ほら、今回は薬草を売りにきたんだよ。ほら、な?」
ツグネはバックからさっきむしった草を見せる。門番の女はそれを見た後、舌打ちして言った。
『馬鹿にすんなよ。そこら辺に生えてるただの草じゃねぇか。』
一瞬の沈黙の間、重い鎖の音が響く。
ーーーヒュンッヒュンッヒュンッ。ドチュンッ。
高速で振り回される鎖が振り下ろされた。ツグネの足が飛ぶ。
「ぁァッイッッッッッ…」
『お前、根性あんな普通片足潰されたら発狂したりするんだぜ?』
「ツグネさん!!!」
「いッ…良い…タフナ…分かってるな?」
『何やろうとしてんのか、知んねぇけどさお前その出血量じゃ何も出来ねぇぞ。』
タフナがバックから拳銃を取り出そうとした瞬間タフナのバッグが鎖の音と共に潰れる。
ーーーバシャッンッ。
「タフナ!!」
「だ、大丈夫です…バックだけピンポイントで潰されました…ハハっ…」
『動かなかったのは正解だなちょっとずれてたらお前も潰れてたからな。』
「やべぇ、これはもうもたねぇ…もう視界がガクガクしてピントがあわねぇ…」
『あのな…この都市に住んでたら“名前の知らない人”なんて存在してること自体がおかしいんだよ。お前らどこのもんだよ。何しに来た。どうやってここに来た?』
ツグネは出血のせいで体を起こす事すら不可能になった。声も出せねぇ…タフナ、何とか情報を引き出してくれ次に繋げるために…ツグネに向かって静かに目を合わせたタフナ、言わんとしている事はもう分かっているそういう目だ。
「随分と知りたいことが多いいようですね…」
『そらそうだろうよ。私の知らない人がこの都市に入ってくるなんて何年振りだよって話なんだよ。』
「僕達はまだこの都市の事について無知で本当に何も分かってないですよね。」
『アホか。本来はこの都市に入る事自体が不可能なんだよ。それを何も知らないで入ったってそんな話信じる奴なんかいねぇだろ。』
「そうですね。それはそうです。でも僕達はある人にお使いを頼まれてきただけなので。」
門番な女は眉を歪めて言う。
『そうか、何かお使いをか…何を頼まれた。』
タフナは余裕の無い表情を必死に隠しつつ内心焦りながら言う。
「僕達死にますか?」
『私の質問に嘘偽りなく答えたら生かしてやるよ。』
そ、そんな訳ねぇだろ。俺はもう持たない、恐らく何をしても出血でもうダメだ。この門番、素人か…いや、あの“チカラ”は素人無理があるだろ…
「そうなんですね…僕達は“ヴェルサイユの涙”を依頼されました。」
『どうやってここまで来た?』
「本当、僕達もよく分からないのですが依頼主に目を瞑れと言われて5秒後目を開けたらここに居ました。」
『とても信じられる話じゃ無いがまぁいい。じゃぁな。』
ーーージャリジャリンッ…ヒュンッヒュンッヒュンッ。
「やっぱり、殺すんですか…?」
『…』
「知ってましたよ。その目、“人”を見る目じゃなかったですから。」
ーーーヒュンッヒュンッヒュンッ。
タフナはツグネを見る。同時にツグネの瞳孔から光が消えた。ま、間に合いましたね…我ながらなかなか良い時間稼ぎだった…
『じゃぁな不審者。私達は臆病者なんだ。』
ーーービィービィービィーッ!コードNo.111発生。コードNo.111発生。コードNo.111発生。ゥウゥジジジッジジッ…
なんだ?都市側でのトラブルか?ツグネさんは…もう意識がないのかな…?門番の顔は唖然としているな…
ーーージジジッ…『222が発生しました。繰り返します。222が発生しました。…』
『は?…』
女の門番も戸惑いっている様子だ。
ーーーゴーンッゴーンッゴーンッ
鐘の音が何処か、何処からも、何処からでも聞こえる。
門番のネックレスの様な物から音が鳴る。警告音の様な音だ。何だ。その音は何だ?ツグネさんはもう死ぬ、やり直しは発動する。が…何もかもが不足している。分からない。この状況が分からない。たたみかけが凄すぎて情報の整理も出来ない。あぁ、時間だ。
ーーーカチッ。チッチッチッチッチッ。
タフナとツグネの時間が逆行し出す。門番の1人を置いて。
初夏、ソファでダラつく2人を魅了した無数の
戦闘機と戦闘機準飛行艇。SF映画みたいな光景に心が揺れる。
「ねぇー!!兎、なんか凄いね!!イベントとかあったっけ?!」
「し、しし知らない…イベントがあるなんて聞いてない…」
兎に質問したフブの顔が少し不安を含めたものになる。数年前に起こった悲惨な歴史が頭によぎる。
「もしかして、何かの有事だったりして…?」
「い、いい嫌だね…で、ででもその可能性は高い…」
「また戦争〜もう本当に人類って愚かよね…」
「お、おお愚か…」
何だろうフブはあんな事言うけどいくら戦争でもこの数の戦闘機準飛行艇を動かすのは非効率なはずだ。もしかして、太平洋に居る巨大建造物が何か関係しているんだろうか…?
ーーーゴーンッゴーンッゴーンッゴーンッゴーンッ
「え、何の音…?」
「か、かか鐘の音?…」
フブは不安そうな顔で窓からSFを眺める。フブが不安そうだ。それはそうか…この街も焼け野原になるのかな。でも、この鐘の音はなんだ?どこから鳴っているんだ?町中の防災無線か?いや、違う。これは空の上から鳴っているんだ、なぜ鐘の音なんだ…
ーーーバカァッ。
禍々しいジッパーの様な何かから空が引き裂かれる様に割れる。
「うっわ…見て、兎…あれ魔王が降りて来る奴だよ…」
「や、ややややめてよぉ…」
上空に現れた巨大な裂け目。空間の中は暗闇で見えないが雷鳴が鳴っている様だ。なんて言うか…超マガマガしい…フブの言う通り中から魔王が出てきてもおかしくない。ていうか、まだ鳴っている鐘の音が気になる。一体こんな大きな鐘の音どこから出しているんだろうか…
ーーーゴーンッゴーンッゴーンッゴーンッゴーンッ
フブが立ち上がりキッチンへと戻った。え?何してるの。今外の状況をおいてキッチンに行けるのか…本当になんて言うか料理にかける情熱が凄いな…
「フフフフブ…なんでキッチンに居るの…」
「そういえば今日、消費期限のハムがあったの忘れてたよ〜」
まるで世界の状況なんて私には関係無いんだと言わんばかりの表情で言うその姿に少し困惑する。兎の困惑に目もくれずフブは食パンの上にハムと野菜とチーズを乗せてバーナーで少し炙る。チーズが溶けて滴りそうになったタイミングで炙るのをやめ皿に乗せる。
「兎〜じゃ〜ん!フブちゃん特製、ピザトォ〜ストォ〜!」
チーズとハムのいい匂いが鼻を撫でる。
「お、おお美味しそう…」
それを手に取ってかじりつく、あっチーズがハムの下にも入ってるんだね…美味しい…チーズいっぱいで程よく野菜とハムが絡み合って…最後にこの独特の〜…ん?この匂い…?
ーーーチューーーーンッ!
外からなる轟音と独特の匂いが場を掌握する。
「なぁっ?!」
「ッ?!」
2人はベランダに飛び出てその光景を見る。青いレーザービームの様なものが謎の空間の裂け目に向かって放射されている。その線が一瞬で消えたり付いたりする。轟音と共に、放たれるレーザービーム。
「本当に…SF…だ…」
「ここここれは…」
ん?フブは気づいていない様だけどあのレーザービーム、空間の裂け目から少し下にずれてないか?う、私の視力じゃあんまり見えないし、手前に居る大量の飛行艇が邪魔でよく見えない…あっ、そうだ。兎はテレビの電源をつける。
ーピッ。
『現在、デモ隊は暴徒化してがつけられないとの情報ですので〜我々としては武力で制圧するしか…』
「何で今この光景の事をやってないんだよ!」
「わわわ私もそう思う…」
2人のツッコミが入る。
ーピッ。
ーピッ。
ーピッ。
チャンネルを全部切り替えたが今外の光景を説明しているニュースはない。でも違和感がすごい。ニュース番組は暴徒化したデモ隊のニュースしかやってない、いや、おかしいだろ…何で何だろう。政府が何かを隠蔽している?いや、仮にそうだとしてもこの量の飛行艇を大っぴらに出して隠す気は…感じないな…緊急速報が間に合っていないのか?てか、あのデモ隊そんなやばい事になってるのか?!
「ああああ頭がまわるぅ〜…」
「う、兎!お、落ち着いて確かにこの状況意味わからないけど私達が何か考えても何もわからない気がするの!」
「ででででも、あれ…気になるじゃん…」
「そ、それは確かにめっちゃ気になる。」
あっ。
兎は何かを思い出したかの様に自室から大きな望遠鏡を持ってきた。これであの裂け目を見れば…光の速さでベランダに設置して覗く。
「いいね!そのアイデア流石兎!何が見えたの!?」
好奇心旺盛に聞くフブに兎は少し気が引ける声で言う。
「ねぇ、フフフフブ…ロボットがね…ていうかメカっぽくて…なんか4本の腕の大きなロボットがレーザーを片手で止めてる…」
「んー…その望遠鏡ってアニメとか受信する系?」
「う、うう嘘じゃないいい…」
「ごめんごめん冗談〜冗談〜私も見たい〜!変わって〜」
望遠鏡を覗くとフブの動きは止まった。自分でも嘘みたいな光景が見えたけどもしかしたら私の見間違えとか……でもあの固り方はなんか同じ光景を見ていそうだ。
「ねぇ、兎…」
「は、ははい…」
「やっぱりこの望遠鏡…」
「あ、ああアニメは受信しないよ…」
「だよね…」
「ロ、ロロロボットいた?」
「んー…居た。なんかね裂け目の下で戦ってた…」
「そそそ…そっか…」
「うん…なんか…うん。」
ーーーゴーンッゴーンッゴーンッゴーンッゴーンッ
鐘の音が空から降って鳴り止まない。望遠鏡の中の光景が。そしてテレビから流れる音声を聞き流した2人は気づかない。ごっこ遊びが現実になった事に。
ーーーえーと、今情報が入りました。暴徒化した人々の映像が入りました。ご覧下さい。
ーーー『グァァァア!!グルルルルル…ブシャッ…ミチミチ』
そして画面が切り替わりコメンテーターが映し出されてひとこと言った。
ーーーこれじゃまるでゾンビじゃないっすか。
[ギアは異能力系、][ヴェルサイユ機構はロボット系、]神様は神様系、[ゾンビはゾンビ系、]ケモノはケモ系、異形は異形系、異常は異常系、これから出てくるのはなんか大体こんなもんです。[]の三つがメインで出てきます。
↓【】はこれから出てくるキャラクターのセリフです。
【こんにちは動物の皆さん。ゲロゴミのお前らに名乗る名前なんてないけど、そうね。“セカンドオーダー”とでも呼んでちょうだい。】
【ところで貴方、紅茶は好きかしら?】
【マリア様も怯え震え、目を逸らす様な。】