仲間と方針
詳しい話は明日ということで、二階にある宿屋で寝ることとなった。
「宿屋も奢ってやるよ、どうせ金ないだろ?」とルが言うのでこれまた有難く頂戴することになった。
ちなみに銅貨一枚だったよ。
他の皆も一緒に二階に来たが、個室っぽいところに入って行った。俺が泊まる部屋は大部屋らしく、下に 詳しい話は明日ということで、二階にある宿屋で寝ることとなった。
地面に草が敷かれていた。え、これベッドとかまじ?
もういいや、今日は色々あって疲れた。寝る。明日も頑張ろう。
次の日、宿屋兼酒場の前で飴玉を舐めながら空を見上げてると、エルフのリリアが宿屋から出てきてこちらを珍しそうに見ていた。
「おはようございます」と挨拶を返すと彼女はすこし目を逸らしたかと思うと「おはよう」と小さな声で返してきた。照れてんのか?なんつって。
「よく寝れた?」とか「何食べてるの?」とか「昨日のネズミは美味しかったわね」などとぐいぐい来る。え、夜と朝のテンション違いすぎない?
「昨日は疲れましたからよく寝れましたよ。あと、これは飴玉って言って甘くて美味しいんですよ。あげませんよ」と返す。そして聞き逃せない最後の質問に返すとしよう。
「俺、ネズミ食ったんですか?あの顔がグチャグチャの?」
「そうよ?多分アキラとルフが倒した奴でしょうね。トード族の商人が宿屋にも卸したんでしょ」
なんということでしょう。あの固い肉はネズミだった。俺、この世界で生きていけるかな・・・。
しばしリリアと雑談していると、他のメンバーが降りてきたので今後の打ち合わせと方針を決めることになった。BAのことも聞かなきゃね!
「という訳で、南の地下道にBAが埋まってるみたいな感じだ。アキラが乗りこなせりゃ戦力アップ。無理でも高値で売れば良い。どうだ?」
ルフが街の周辺で色々調べてたらしい。その時に俺は助けられた訳だ。
「見つかれば良いけど、無かった時はどうするの?あと、売った場合アキラの戦闘はどうするの?」
「ワシは何でもいいぞ。在っても無くてもどっちでもいいわい」
「私は賛成でいいよ。アキラお兄ちゃんも仲間になったんだし、一緒に遊びたいな」
「可愛いなぁ、でも俺遊び相手よりまずは仲間の役に立ちたいんだムイムイちゃん」
思わずムイムイちゃんの頭を撫でつつ反論する。にぱーっと笑いながらこちらを見上げてくるのがまた可愛い。
「なら賛成多数ってことで、飯食ったら南の地下道に行くぞ。あと無かったらまた酒場で奢ってやるから。」
「じゃ、今回の朝ごはんは私が出すわ。どうせそんなにお金も無いでしょ?」
リリアさん、一生ついていきますぜ!
朝ごはんは芋虫のスープでした