悲しき英雄
「アラヌスぅぅぅ!」
その黒い筋肉は、頭から駆逐艦の船体横に突き刺さった。
街を見ると、他のBAが両手を上げている。あのBAがアラヌスミサイルしたんだろう。
「おいアラヌス!大丈夫か!」
ズボッと音がしてアラヌスが「死ぬかと思った」とか言いつつ抜け出した。
「何故生きているのでしょうか?」
俺が聞きたい。お前なんなの?
「まぁいいや、助けに来たぜアキラ!」
そう言うと、アラヌスは駆逐艦の上に飛び乗り、セーラーサハギンを倒す。
「こいつらは俺に任せて、アキラはこの賞金首を沈めてくれ!」
「よし、任せとけ!」
ガトリング砲を主砲、魚雷発射管を壊すべく撃ち込む。フハハ!沈め沈めぇ!
「アキラ!もう追加はなさそうだ!とっておきを撃ってやれ!」
「えー、アレやるの?ダサいんですけど」
「恰好つけてる場合か!」
まぁそうなんだけどな。しょうがねぇ。
「アラヌス!ぶっつけ本番だから離れてろ!」
その言葉を聞いてアラヌスはエイリアンが居る湖の中に飛び込んだ。そういや前も泳いでたな。あの時は無理やりだったが。
あちこちから煙を上げ、それでもまだ沈む気配の無い駆逐艦に止めを刺すべく、俺は切り札を切る。あのダサイ兵器だ。
「喰らえ!チョンマゲミサーイル!」
距離を離して頭からミサイルを飛ばす。その軌道はゆっくりと、しかし確実に駆逐艦に命中する。
大爆発するかと思いきや、まるでブラックホールのような黒い穴が出現し、駆逐艦や湖の水をすべて消し去るかのごとく吸い込んでゆく。
「うぇぇぇ!?助けテっ!アキラ助けテっ!」
やばいやばい、何あれ!アラヌスが吸い込まれる前にBAの肩に乗せる。
「死ぬかと思った。つか何だよあの武器」
「ミサイルとか聞いてたんだけどなぁ」
俺たちはBAのホバーで後ろに下がりつつ、行く末を見守った……。
「ハゲラー、やるじゃねぇか!お前は今日からこの街の英雄だ!」
俺はこの街の英雄になったが、ハゲラとかいう名前じゃないぞハンターおっさん。
「今日は宴会だああああ!」
「うおおおおお!」
あちこちでエリアン殲滅の喜びに浮かれ、街の酒が全て消えるほどの酒が広場に運び込まれた。
「英雄アキラにカンパーイ!」
そんな中、俺は親方に聞きたいことがあった。
「親方、あのミサイルおかしくね?この世界の武器にしちゃ強すぎじゃね?」
「う、うむ。ちょっとした貰いもンでの……」
「誰からの貰いもンだよ」
「先生、やっぱチョンマゲは偉大だね!」
もう酔っ払ったシャルが腕に巻き付いてくるが、今は親方の話が優先だ。
「…………ハンター協会のグランドさんじゃ」
まじかよ、あのおっさん何者だ?
「アキラ、今は喜ぼうー?」
マリーも酒飲んだの?お前まだ早いと思うんだけど。
「アキラ、当分遊んで暮らせるな!」
「ルフ、酒はおごらねぇぞ?」
「何でだよ!」
俺の金は俺のもんだ!
「そういや今回の隠れ英雄アラヌスはどこに行った?」
「ナンパに行ったぞ」
また俺を誘わなかったなアイツっ!
「まぁいい、俺も明日から忙しいしな」
「あら?何があるの?」
ふふふ、よくぞ聞いてくれたリリア。
「明日から水着パラダイスじゃああああああ!」
「あ、今湖の水が無いから無理ですよアキラ様」
「残念であったな」
カルロスとゲンタが悲しいお知らせを俺に告げた。
俺の水着ドコー!?




