出会いと小銭
獣人の男がネズミをくれると言うので、有難く頂くことにした。もう今日の戦闘は疲れて無理そうだ。
「協会に行くんだろ?持ってってやるよ」
「俺が女なら惚れてるね!じゃあついでに三匹頼むわ、俺は貧弱なんで」
男は笑いながら「何がついでだ何が」と言いながらネズミの尻尾を三匹分掴んで背負った。
俺たちはお互い事を紹介しつつ、雑談などしながら街に向かう。
「俺はアキラ、今日ハンターになったばかりだ。宜しくな」
「おー、今日なったばっかか。俺はルフだ。いつもは仲間とエイリアン退治やってんだ」
「ほほう、仲間とな。可愛い女の子は居るのか?」
気になって聞いてみたが、反応は苦笑だった。
「まず金を稼ぐ方法とか言い残るコツとかじゃなくて、女かよ」
「そりゃあ、そういった事も聞きたいが、まずは目の保養だな」
「安心しろ、お前と一緒で土臭い女とガキみたいな女がいるぞ。あと鉄臭いおっさんだな」
どこに安心していいのか分からない。あと俺の体、土臭い?水とかあれば体洗いたいなぁ。
その後、エイリアンに出くわすこともなく街に辿り着いた。
蛙のおっさんが居たので、売れるか聞いてみよう。
「ようおっさん、これネズミいくらで買い取る?」
「よう兄ちゃん、生きてたか。四匹か?なら銅貨二枚で良いなら買ってやる」
飴玉と一緒かよ。超デフレか。取り合えずルフに目で聞いてみると、そんなもんだろとうなずき返された。しょっぱいなぁ。
「ならそれで頼むわ、また何かあったら買い取ってくれ」
「あいよ、毎度あり。またきな兄ちゃん」
ルフのお陰で金になったので礼を言うと、気にするなと返される。良い奴だなホント。
「アキラ、協会に行ったら俺の仲間も紹介するぞ。」
「ああ、女の子を楽しみにしてるよ」と返すと、あんま期待すんなよと返された。
目の保養と心の保養は大事やねん