病院
「やはり、年齢からくるものでしょうね。」
近所の動物病院の医者に言われる。
ちなみに、雫は病院が嫌いである。
特に注射が大嫌いである。
医者が触ろうとするたびに威嚇する。
「そうですか・・何か気を付けることはあるでしょうか?」
「栄養のあるものを食べさせるようにしてください。あと柔らかいものを増やしたほうがいいかもしれません。」
「そうですか・・」
「運動も大切ですけど、けがも心配なので無理させないようにしてあげてくださいね。」
「わかりました」
「とりあえず、今日は予防接種はなしにしておきましょう。」
「はい。」
家に帰ってきて、雫をキャリーから出してあげる。
すると、ケージの前に走っていき、鳴く。
「にゃー!」(慰謝料を請求する!)
以前なら自分でケージに飛び乗るのに。
最近は抱っこしてケージの上の段に乗せてあげる。
そして、おやつにささみのフリーズドライをあげる。
これがお気に入りなのだ。
暫くすると満足したのか、また鳴いた。
また抱っこでおろしてあげる。
ご飯を食べる場所を変えてあげたほうが良いかもしれない。
「それで、病院ではどうだったんですか?」
高木さんが聞いてくる。
「やはり、年齢的なものだそうです。栄養のあるものを食べさせるように言われました。」
「そうですか・・心配ですね。」
「はい。もっと長生きしてほしいですからね。」
雫がうちに来て、もう十数年。
いつまでも子猫と思っていたのだが・・・




