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病み上がり
高木さんが帰っていったのは、日曜日の夕方だった。
つまり、もう一泊したのだ。
申しわけないので、無理はしないようにと言ったのだったが聞いてはもらえなかった。
病人をそのままにしておくわけにはいかないとかで。
土曜の夜にはほぼ平熱になったのだけれど。
「無理はしないで、明日は休んでくださいね。」
くぎを刺されてしまった。
まぁ、もう一日休ませてもらうか。
雫はずっと離れようとしない。
よほど心配させたらしい。
「雫も、ちゃんとご飯を食べないとだめだよ。」
そう言って背中をなでる。
ごろごろとのどを鳴らしてくる。
こんなに休んだのは久しぶりかもしれない。
高木さんのおかげで、ゆっくり寝ることができた。
本当に申し訳なかった。
今度、埋め合わせをしないといけないな。
「雫も、心配かけたね。もう大丈夫だから心配しないでね。」
「にゃー」




