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うちの猫は早く寝ろと催促してくる  作者: 三枝 優
第2章
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発熱④ 雫Side

「ニャー」(起きたよー)

あの子猫の声で目を覚ました。

明るくなっている。

ご主人が起きたようだ。

身を起こしてこちらを見ていた。

ちょっと驚いた顔をしている。

あぁ・・・良かった。元気になっているようだ。

背中をなでてくれる。


「高木さん、おはようございます。すみませんご迷惑をおかけして。」

「いえ・・・体調はどうですか?」

「おかげさまで・・・昨日よりかなりいいです。」

それは良かった。一安心である。


「大丈夫ですよ、困ったときはお互い様ですし。ご飯を作りますね、念の為おかゆでもいいですか。」

「はい、すみません・・・」

どうやら、ご主人のためにご飯を作ってくれるようである。

「雫ちゃん、昨日からずっと離れないんですよ。お水も飲みに行ってないんです。」

余計なことは言わなくていい。

ご主人が雫の背中をなでてくれる。

ゴロゴロと喉が鳴ってしまう。

「雫、もう大丈夫だよ。ご飯を食べておいで。」

大丈夫なのかしら。

「大丈夫。ご飯を食べて、お水を飲んできてね。」

ご主人に言われてしかたなくリビングに向かう。入り口で、ご主人の様子を振り返って見る。

「大丈夫だよ」

仕方ない、ご飯を食べるか・・・

リビングでごカリカリを食べてお水を飲む。

でも、心配なのでまた和室に行ってご主人の横にくっつくのだ。


「ほんと、雫ちゃんも私も心配したんですよ。」

ご主人は横になって、背中をなでてくれている。

「雫。心配させてごめん。」

「にゃあ・・・」(心配したんだからね・・)

するとハナちゃんが元気に鳴いてくる。

「ニャー」(ししょー良かったねー)

嬉しそうに言う。


しばらくすると、あの女がご主人にご飯を持ってきた。ご主人はご飯をようやくた食べてくれた。

「美味しいです。」

昨日は何も食べていなかったはず。


「念の為、今日は一日寝ていてくださいね。」

食べ終えた器を運びながらあの女が言う。

「はい、そうします。」


「じゃあ、お昼ごはんに食べたいものがあったら言ってくださいね。」

なに?まだ帰らないつもりなの?

唖然と見上げるとあの女は笑っていた。

ご主人にご飯を作ってくれるのは嬉しいけど・・・


「ニャー。」(わーい!)

嬉しそうな子猫の声を聞いて思わず、フンッと鼻を鳴らしてしまった。

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