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いつのまにか 雫Side
それからあの子猫とあの女は週末に時々やってくるようになった。
ご飯を一緒に食べて帰っていく。
いつの間にか、それが普通のことになりつつある。
困ったものである。
これは恋愛ではないと思う。
では何といっていい関係なのであろうか?
夜に縁側でご主人になでられながら聞かれた。
「我々はいったいどんな関係なんだろうね?」
「うにゃ!」(他人!)
不満である。
苦笑してしながら言う。
「そこまで嫌うことはないよ。」
そうは言っても、気に入らないのだからしょうがない。
しかし、あの子猫は全く気にしないでグイグイ来る。
「まぁ、猫仲間?猫友達?」
ふんっ と鼻を鳴らして寝転がった。
友達ではないわね。
未来がどうなるかはわからない。
残念ながら、しばらくこんな日常が続いていくのかしら。




