75/132
お礼
「あれからですね、ハナちゃんがすごくいい子になったんですよ。」
職場の休憩時間。高木さんが話しかけてくる。
「いい子?」
「ソファで爪を砥がなくなったし、カーテンによじ登ろうとしなくなったんです。」
それかはなかなりやんちゃだったんだね。
「それに、一緒にご飯を食べるようになったし、話しかけてくれるようになったんですよ。」
「へえ。それは良かったね。」
「きっと、雫ちゃんに教わったんですね。」
恐らくそうだね。
雫がかなり教育していたようなので。
「山崎さんにも、雫ちゃんにもお礼をしないといけないですね。」
「いえ、気を使わなくても大丈夫ですよ。」
「そんなこと言わないでくださいよ。本当に感謝しているんです。」
そこまで感謝されることなのだろうか。
そう思っていると、高木さんが言ってきた。
「お礼に、今度ご飯をご馳走しますよ。今度の週末でいかがですか?」
え?




