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うちの猫は早く寝ろと催促してくる  作者: 三枝 優
第2章
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いっしょにご飯

(高木さん視点)

誰かのためにご飯を作るのは久しぶりだった。

母とまだ一緒に暮らしているとき・・・だから学生の時か。

それからずいぶん経っている。


その間。ずっと一人だったんだな。


そして、だれかと一緒に食卓を囲むのも久しぶりだ。

それは、何か恥ずかしいような。

でも、うれしいような。


家族がいるってこういうことなんだろうな。



・・・・・・

山崎さんに、家まで送っていってもらった。

もちろん、ハナちゃんと一緒に。

玄関でハナちゃんをキャリーから出してあげる。すると

「ニャー」

と鳴いて、すりすりと頭を擦り付けてくる。

今まで、鳴いたことなかったのに・・・ちょっと不思議。

そして、廊下をてってってと歩いていき、こちらを振り返ってまた鳴いた。

「ニャー」

まるで呼んでいるようだ。

その夜はソファで甘えてくるハナちゃんをなで続けたのだった。

さみしかったのかな?



次の朝、ハナちゃんは枕元で寝ていた。

「おはよう、ハナちゃん」

すると答えてきた。

「ニャー」

「雫ちゃんに、お話しすることを教わったの?」

「ニャー」

すっかりおしゃべりになったようである。


朝ご飯を食べ始めると、ハナちゃんもご飯を食べ始めた。

まるで、一緒にご飯を食べるのを待っていたかのように。


ご飯を一緒に食べる・・・・か・・・。

いままで気にもしたことはなかったけど。

それがとても素敵なことに気が付いた。


そう考えながらぼーっとしていると、ハナちゃんが不思議そうに鳴いてくる。

「ニャ・・・」

食べないの? と言ったのだろうか?

私は笑いながら、答える。

「ちゃんと食べるわよ。」

するとハナちゃんは安心したようにまたご飯を食べ始めた。


あぁ。ハナちゃんも一緒にご飯を食べてくれるのか・・

話しかけると答えてくれるし、一緒にご飯も食べてくれる。

家族になったんだなぁという実感。


雫ちゃんに感謝しないとね。

「ハナちゃん、また今度雫ちゃんに会いに行こうか。」

すると言葉を理解したかのようにうれしそうにない答えてくれた。


「ニャー!」

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