お迎え
携帯にメールだ届いた。
高木さんからだ。
高田さんのお母さんの手術も無事終わり、戻って来るそうだ。
明日、ハナちゃんを迎えに来るとのこと。
夕方にはなりそうだ。
「ハナちゃん。ハナちゃんのご主人が迎えに来るそうだよ。」
「ニャー!」(嬉)
うれしそうである。
----
次の日の夕方、高木さんが来た。
お土産のお菓子をいただいた。
「気を使わなくてもいいのに。」
「いえ、お世話になったのですから。」
「それで、お母様の容体は大丈夫ですか?」
「はい、手術も成功して、あとは体力の回復を待ってから退院だそうです。」
もう少しゆっくりしてくればいいのにとも思うのだが、いろいろあるらしい。
ハナちゃんがやってきた。テッテッテ走ってきて高木さんの膝に飛び乗る。
「ハナちゃん元気にしてた?お待たせー。」
「ニャー」(嬉)
高木さんに頭を擦り付ける。
高木さんは驚いた顔でこちらを向いて言った。
「いままで、こんな鳴きかたしたことが無かったですけど。」
「ごめんね、雫がいろいろ教えていたみたいで。」
「ニャー。」(楽しかったー)
部屋の入り口では、雫が やれやれ、やっと解放される といった顔でみていた。
----
「高木さん、それでは送っていこうか?」
「はい、ありがとうございます。そういえば夜ごはんはまだこれからですか?」
「はい。そうですけど?」
「よかったら御馳走しましょうか?」
「いや、外食は・・ハナちゃんもいるしね。」
「それじゃあ、どうしましょうか・・・よかったら私が何か作りましょうか?」
「いや、それはさすがに悪いですよ。」
「ハナちゃんを預かってもらったお礼ですよ。」
高木さんにありものの材料で夕食を作ってもらった。
美味しかった。
そういえば、久しぶりに他人に作ってもらったご飯。いつ以来だろう・・・




