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いたずら
夜、家に帰ってきて玄関を開ける。
いつものように雫が出迎えに来てくれた。
「なぁ・・・」(・・・)
なんだか、様子がおかしい。
「どうした?雫?」
「なぁ・・・」(こっち・・・)
和室に連れてこられる。
そこには床一面に広がる、びりびりに破けたティッシュたち。
空になったティッシュBOXが転がっている。
縁側には満足そうにおなかを出して寝ているハナちゃん。
「にゃあ・・・」(止めたんだけど・・・)
なんとなく察した。
「ティッシュだけだから大丈夫だよ。雫はちゃんとハナちゃんを止めたんだね。」
まぁティッシュだけなら片付ければ済む。
片付けている間に、ハナちゃんが起きてきたようだ。
「ニャー」(おなかすいたー)
ハナちゃんが鳴いたところを初めて聞いた。
いつもは”ふるる”という声だけだったのに。
「はいはい、ご飯にしましょうね」
「ニャー」(わあい)
「雫もご飯にするよ。」
「にゃあー・・」(ご飯にしましょー嬉)
連れだってリビングに移動するのであった。




