いたずら 雫Side
この子猫に教えなきゃいけないことは多い。
”夜はちゃんと寝ること。間違ってもご主人を起こしたりしちゃだめ。”
”えー、何でですかー?”
”ご主人が寝不足になって、病気になっちゃ困るでしょ。”
”はぁい”
”それから朝はちゃんと一緒に起きること”
”えー”
”爪とぎは、ちゃんと爪を砥ぐ場所で砥ぐこと。壁とかソファでやったらだめ”
”はぁい”
これは、何度言ってもなかなか治らない。爪を砥ごうとする直前に見つけて、なんどもひっぱたく。
”電線をかじっちゃだめよ。感電して死んじゃうから”
”はぁい”
”人間の食べ物とか、落ちているものとか食べちゃだめよ”
”はぁい”
この子はお母さんに教わってこなかったのかしら。
”それから・・・・
ご主人たち人間には にゃあ と鳴かないと話が通じないわよ”
”えー、そうなんですか?”
”いままで気づいてなかったの?”
そういえば、この子が鳴いているところ見たことなかったわね。
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ご主人が出かけているとき。縁側でまったりしていると、あの子がやってきた。
”ししょー、あそぼー”
”今、眠いからダメ”
”じゃあ、これ破いていいですかー?”
障子を見ながら言う。
”絶対にダメ。それやったら猫パンチ100回”
”えー。。。じゃあこっちは?”
襖を見つめる。
”絶対にダメ、はたくわよ”
”えー、じゃあ《《いたずらできない》》じゃないですかー”
あんた、ダメなのわかっていっているわね。
というか、いたずらすること前提?
”えーつまんない、つまんない、ちまんない、つまんない・・・”
ちょっと噛んだわね。
でも、うるさくてたまらない・・・
はぁ
ため息をついてどうしようか考える。
”つまんないよー”
ほんとまだ子供だから困る。
”じゃあ、これ”
”これ?”
ティッシュBOXに連れていく。
この白いの引っ張ってみなさい。
”はあい。。。出てきた。あー白いの出てきたのにまだあるー。おもしろーい”
夢中になってティッシュを引っ張り続ける。
あたりはあっという間にティッシュだらけ。
”わあい、いっぱいだー”
今度は畳に散らばったティッシュの中を走り回ったり。ちぎって遊んだり。
あぁ。ご主人が帰ってきたらどんな顔するんだろう。




