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師匠 雫Side
涙目の子猫。
なんだろう、こいつは。
”ごめんなさい・・”
謝るなら初めからケンカを売らなきゃいいのに。
”あなたはお母さんですか?”
とんでもないことを聞いてくる。
”あなたのお母さんじゃないわよ”
”それじゃあ、お姉さん?”
”お姉さんでもないわよ”
”それじゃあ・・一体”
”赤の他人ね”
困ったものだ。
”とにかく、見ず知らずのおうちに行ったら、まずはおとなしくすること。それが猫の流儀というものよ”
猫を被るというしね。
”かっこいい・・”
何が、かっこいいのやら。
”あの・・・”
なにさ
”ししょーって呼んでいいですか?”
はぁ?




