預かる
「この間は、ありがとうございました。」
「いえいえ、たいしたことなくてよかったです。その後はハナちゃんは元気ですか?」
すると、苦笑しながら・・
「えぇ、元気すぎて困るくらいです。」
どうやら、ハナちゃんは元気すぎて困るようである。
部屋の中を走り回ったり。
遊んでくれと、甘えてきたり。
「子供の時はそんなものですよ」
「そうなんですか、まぁかわいいからつい甘やかしちゃうんですけどね。」
「犬と違って、叱ってもダメですからね。」
「え、ダメなんですか?」
「大きな声を出して叱ったりしたら嫌われますよ」
「そうなんですか。」
猫はしつけるのは難しい。
雫は手がかからなかったなぁ、と思い出した。
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1か月ほどして、高木さんはなにやら深刻な顔をして、部長と話していた。
その後、私のところに来た。
「山崎さん、どうしてよいかわからないので相談に乗ってください。」
「どうしました?」
「ちょっとここでは・・・」
なので、空いている会議室に行って話を聞いた。
「実は、母が入院することになって・・・」
高木さんの母親が入院することになったらしい。
タイミングの悪いことに、義理の父親は海外出張中。
どうしても高木さんが1週間ほど面倒を見に行かなければいけないらしい。
仕事は部長に相談して、何とかしてもらえるらしいけど。
「問題は、ハナちゃんなんです・・」
なるほど
不安はあるけれど・・・
「うちで預かりましょうか?」
「・・・本当ですか?そうしていただけるととても助かります。」
ハナちゃんとは、初対面ではない。
問題は、雫とはあったことがないのだけれど・・・
まぁ部屋はあるから、洋室をハナちゃん用にすればよいかな?




