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うちの猫は早く寝ろと催促してくる  作者: 三枝 優
第2章
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不機嫌 雫Side

和室の隅で座って、ご主人とお客さんを見る。

「うわあ、ほんとにぬいぐるみみたいでかわいいですね。」

イライラしているので、しっぽを、ぱたっ・・ぱたっ・・と降ってしまう。

「雫は人見知りだから、そばには寄ってこないと思うよ。」

わかっているなら連れてこなけりゃいいのに。

じっとご主人をにらんだ。


ご主人が突然、女性をうちに連れてきた。


私のケージを見せたり。私のご飯を作るのを見せたり。(食べる気にはなれなかった)

水の場所を見せたり。

何がしたいんでしょう。


お客さんはそれらを見るたびに感心していた。

ひととおり、見終わったあと、お客さんとご主人が和室で日本茶を飲んでいるところである。


「ぜんぜん獣臭かったり臭いがしないんですね。」

「トイレをちゃんときれいにしていれば臭いは全くしないよ。雄と雌では違うかもしれないけど。」

あたりまえでしょう。

臭かったら私が嫌である。


「猫ベッドがあちこちにあるんですね、、、」

「これは毎年買い足していくうちに少しずつ増えた結果。ほんとはこんなに要らないかもしれないよ。」

私のものを勝手に捨てないで頂戴。


まったく、何しに来たんでしょう。

そして、ご主人とこの女性の関係は何なんでしょう。

じっと、話している様子を観察する。


ご主人は、奥さんのこと忘れたわけじゃないとは思うのだけど、心配になる。



「今日はありがとうございました。」

「車で送っていくよ。」

「それでは、お願いします。」

「じゃあ、雫。ちょっと出かけてくるよ。」



私は縁側の窓から、二人が歩いていくのを見ている。

何か話している。


奥さん、早く帰ってこないかな。

ため息をつきたくなる。


やがてご主人が帰ってきた。

家に入って声をかけてきた。

「雫、ただいま。」


今日は、お迎えに行く元気が出ないので押し入れで寝ておこう。

ご主人には悪いが、今日は一人でご飯を食べて寝て頂戴。

ちょっと悲しい気分なので。

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