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うちの猫は早く寝ろと催促してくる  作者: 三枝 優
第1章
38/132

エピローグ

あの日から

私は、何のために働くのか、何のために生きていくのか、そんな目的を失ってしまった。

もう50台。子供がいるわけでもない。

あくせく働く理由も見つからない。

ただ、会社を辞めることも、引きこもることも無かった。


今の家。一人と一匹が住むには広すぎる家。

でも、引っ越す気力もなく、住み続けている。


庭で水を撒いていると、縁側から雫が眺めている。

目を細めている。きっと眠いのだ。




家に帰ると、雫がいてくれる。

ただ、そのことが生きていくための一筋の糸のようにつなぎとめていた。


あの日以来、雫は私によく話しかける。

「なぁぁ・・・・」(朝よ~起きなさい)

「にゃあーー!」(早くご飯ちょうだい)

「にゃあ~~」(寝るわよ~)

雫は私のことを手がかかる子供のように思っているのだろうか。

でもそのおかげで、心が折れきってしまうことも無く生きながらえることができている。


そして今夜もきっと

うちの猫は早く寝ろと催促してくるのだ。

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