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その日
奥さんが入院して1週間。原因はまだわからない。
症状はあまり快方に向かっているようには見えない。
心配である。
そんなある日、どうしても出席しなければならない会議があり、いつもより少しだけ残業をしなくてはならなくなった。
「ごめん、明日はちょっとだけ来るのが遅くなる。」
「大丈夫よ、無理しないで。」
そう言って気を使ってくれる奥さん。
早く良くなってほしい。
朝、雫にご飯をあげながら話しかける。
「雫、今日もちょっと遅くなるよ。ごめんね。」
「にゃ~。」(わかった~)
そして、カリカリを食べる。
分かってくれたようで安心。
では仕事にいこう。
その日の夜、会議が終わって自分の席に戻ると携帯に着信があった。
奥さんが入院している病院からだった。
”急に何だろう。”
不安になりながら、すぐに病院に電話をかけた。




