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入院 雫Side
それは、引っ越してから4年たった夏のことだった。
奥さんが体調を崩したようだ。寝込んでいて苦しそうである。
どうしたのかな・・・大丈夫かな。
しばらく寝込んだ後、ご主人が奥さんをどこかに連れて行った。
そして、ご主人が一人で帰ってきた。
「雫、奥さんはしばらく病院に入院するよ。待っていてね。」
「にゃ・・・・」(病院?大変)
私は愕然とした。病院って注射されるのかな・・・
かわいそうな奥さん。
それから、ご主人は帰りが遅くなった。
「今日も奥さんの病院に行くから遅くなるよ。」
毎日、そう言ってカリカリをたくさん入れていってくれる。
私は、それから夜は和室の縁側で外を見るようになった。
そしてご主人が帰ってくるが見えると、すぐに玄関に行って待つようになった。
「ただいま、いつもありがとう。」
「にゃあ~。」(おかえりー奥さんは?)
今日も、奥さんは帰ってこないようだ。
早く帰ってこないかなぁ。




