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出会い② 雫Side
「では、最近生まれた子を見てくださいね。」
飼い主に連れられて、お客さんが来たみたいである。
この日に備えて、お母さんからは念密に教育を受けてきた。
いわく、お客さんには愛想を振りまく。
お客さんが来たら膝の上に乗って甘える。
手を差し出されたら舐めてあげる、などなど。
兄弟たちはやってきたお客さんに教育された通りに甘えて見せた。
一方私は・・・
今朝はちょっとご飯を食べすぎたらしい。
おなかの具合がちょっと・・・
お客さんはその私を抱きあげようとするがそれどころではない。
”離して、私忙しいの”
なんとか逃れてトイレに急いで入っていく。
間に合った・・・
なにせ、トイレ以外で用を足すとお母さんに猫パンチされるからね。
私は、トイレに間に合ったので安心して眠くなってしまった。
トイレの近くで丸くなって寝てしまった。
夢うつつで声を聴いた気がした。
「どの子もかわいいわね、どうしましょう?」
「その子はどうかな?」
それがご主人との出会いだった。




